湯煙銀玉紀行(第1話)

 平成29年7月末。待ちに待ったドラクエの新作が発売されました。
 それからというもの、休日はドラクエ三昧。約1ヵ月半をかけてクリアしました。そのとき思ったこと。
 あー、ゲームやり過ぎて肩がこったな。温泉にでもつかって、のんびりしてぇ。
 お気軽に行ける温泉といえば、自宅近くのスーパー銭湯が挙げられますが、このときは何となく、いつも行ったことのない温泉に行ってみたい気分でした。そういえば前にドライブしていたとき、スーパー銭湯っぽい建物を見かけた気がするから、そこに行ってみようかなと。
 さらには遠出するからには、ただ温泉に行って帰ってくるのはもったいないとも思いました。どうせなら観光でも挟めれば、ブログのネタにもなるしね(笑)。ただ僕が行こうと考えている地方(制作上の都合で今回では具体的な地名は伏せます)に、観光スポットなんてあるのだろうかといった懸念事項もあります。まぁないことはないのだろうけど、いわゆる一定の水準を満たしているものがあるのかなと(笑)。
 そんなことを考えている僕に名案が浮かびました。タイトルから察している賢明な方は、既に嫌な予感がしていると思いますが(笑)、行った先のスーパー銭湯近くのパチンコ屋に入り、一勝負して旅費を賄えば企画として面白い上に、何より自分の欲望が満たされるため、筆者にしろ、読者の皆さんにしろ、楽しめるって寸法ですよ。
 おお、なんと素晴らしい企画ではないか!
 自画自賛したところで、ひとつ問題があることに賢明な筆者は気付くわけです。
 その問題とは、そう! 『誰が同行してくれるか問題』です。
 ご存知のとおり(?)寂しがりの筆者は、同行者がいないと遠方までのドライブがしたくないのですが、美食倶楽部の仲間にはパチンコ・パチスロをたしなむ人が皆無。こればっかりは、お世辞にも低額とは言えない金銭負担を強いるので、無理矢理に誘うのもためらわれます。
 さて、どうしたものかと思っていた矢先、職場でこんなクズ的な企画を考えていると後輩に話したところ、パチスロ好きな彼から、
「その企画、面白いっすよ!」
 と、えらく前向きな発言が聞かれました。
 こうして企画が成立しました。 (つづく)