湯煙銀玉紀行(最終話)

 車に乗り込んだ僕ら。一路、静岡を目指し52号線を南下します。
 早く中部横断自動車道ができて欲しいなどと思いつつ、再び職場の話をしながら運転を続けます。2人とも勝利の余韻のせいか、往路よりも饒舌だった気が(笑)。
 午後7時頃、ゲン宅に到着。リリーさんを見送り、本日の企画終了となりました。
 さて今回の企画ですが、温泉とパチンコという大好きな趣味を両方満喫したばかりでなく、パチンコ店で勝利を収めた資金で旅費が賄えるなど、夢の企画と言えるのではないしょうか(笑)。機会があったら、ぜひ次回も開催したい企画です。
 それではまた次回作でお会いしましょう!(湯煙銀玉紀行 完)


*  あれ、今回の本編、やけに短くない? いつもならこれぐらいの量、前回にくっつけて最終回にしない? 回数を増やすための水増しじゃないかとお思いの方、スタッフロールのあとに若干のおまけがございますので、そちらをご覧下さい。


Cast

ゲン(+7,600円)
リリーさん(+6,000円)


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:『炎のたからもの』ボビー
企画:美食倶楽部
制作総指揮:ゲン


おまけ


 自宅に戻った僕は、晩飯をどうしようか考えていました。リリーさんと食べても良かったのですが、昼食を食べたのがやや遅かったので、そんなに腹も減ってないとのことで、そのまま帰宅したのです。
 嫁には帰宅時間が未定のため作らずとも良いと伝えてあったため、出かけていました。
 もうちっとしたら近所の食堂かラーメン屋にでも行こうか? はたまたコンビニへ弁当でも買おうかと思案していたところ、悪魔が僕の耳元で囁きました。
 今からまたパチンコに行って、もっと儲けようぜ、と。
 久々のパチンコ勝負で勝利したことが、僕の病気の虫を呼び起こしました。
 僕は決断しました。……パチンコに行く!
 近所のパチンコ屋に行った結果、マイナス8,000円。
 きょっ、今日の旅費がぁぁッッ!
 日本政府が依存症対策として、次々と規制を増やす背景を皆さんに知ってもらったところで、おまけを終了します。(おまけ 完)

湯煙銀玉紀行(第5話)

 いよいよ勝負の時と、勢い勇んで店内に入店した僕ら。
 絶対に負けられない戦いがそこにはあるッ!
 リリーさんはスロットを打つので、パチンコ専門の僕とは店内で別れ、僕は1人でパチンコの島を見に行きます
 客付きはまずまず。店内にて機種を確認すると、一時代前の機種がずらり。懐かしさもさることながら、最新台を購入することができないほど儲かっていないのかと心配になります。
 距離的、時間的、両面から考えても、今さら他店に移動することもできないしなぁ、と死を覚悟しましたが、……言い換えれば近くに競合店がないから、最新台を導入せずとも客が来るのだろうと判断(失礼)。
 ひととおりパチンコの島を見たのち、前に打ってよく出た覚えがあるAKBの台を打つことにしました。しかしこれが回らない。このまま打ち続けたら、簡単に数万が溶けそうな雰囲気だったので、慌てて台を移動することに。
 どれが良いかと思って台を見て回ると、仮面ライダーV3があったので、そちらに座ってみます。打ち始めたところ、さっきのAKBよりは回るものの、満足はできない水準です。しかしまぁ、他の台でこれよりも状況が上向くことはなさそうなので、勝負を続行することに。
 1万円ちょうど投資したところで見事に大当たり。その後、連荘にも恵まれ、2時間程で結構な出玉を得ることに成功。換金率はわからなかったものの、さすがにこれだけあればマイナスはないだろうと思っていたところに、リリーさんが来て今なら勝っているとのこと。
 こんな場当たり的な企画で、2人とも勝つ確率なんて、およそ数パーセントではないだろうか。
 せっかくなので、初戦を2人とも勝利で飾りたいとの気持ちもあり、ここで勝負を止めることに。
 収支の結果は、ゲン+7,600円、リリーさん+6,000円。
 この日の経費(全て概算です)は、ガソリン代3,000円、温泉代1,400円、土産代1,000、食事代1,500円……合計6,900円。やった、旅費が賄えちゃったじゃん!
 いや、そのつもりで開催した企画なのに、何をそんなに喜んでいるのかとのご指摘もあろうかと思いますが、本当に勝てるとは思っていなかったので(苦笑)。
 勝負を終えて店を出たのが、午後5時過ぎ。
 僕らは帰路に着くことにしました。 (つづく)

湯煙銀玉紀行(第4話)

 食事を終えて、温泉へと向かった僕ら。
 さて肝心の温泉の感想ですが、湯量も豊富で種類も多くて大変に気持ちの良いものでした。家の近所にあったら通いたいと思う水準を十分に満たしてはいるのですが、なにしろ片道2時間弱だから、そうそうは行けないかと。
 安価で労せずに行ける近所の方が羨ましい。また何かで近くに立ち寄り、風呂を欲したときには、ぜひぜひ、立ち寄れたらと思います。
 風呂を出た僕らは、有料マッサージ機にてこの世の極楽を味わったのち、土産物を購入して、『まほらの湯』を後にしました。
 続いては、いよいよ本日の旅費を稼ぐべく、男達は戦場に向かいます。
 幾つか候補の店はあったものの、僕らの地元静岡にもあるチェーン店等(マル〇ン等)ではつまらないので、山梨でしか見かけない店に行こうとの話になりました。
「そういえば道中、如何にも地元密着といった風情の店があったね」
「そこにします?」
「今から他の店を目指して、帰り道と逆方向に向かうのも気が滅入るから、その店でいいか」
 そんなこんなで、僕らは30分程かけて当該店舗に向かいました。
 実名を出しても問題ないのだろうけど、敢えて店名は伏せますが、静岡から52号線で山梨方面に進むと、パチンコ店はそこしかないから、まぁわかる人には、すぐにわかるでしょう。
 駐車場に車を停めると、すぐ隣りに美味そうなラーメン店がありました。
 午後3時程にも関わらず営業していたので、ここまで昼飯を我慢すれば良かったと思いつつ、僕らはパチンコ店に入店。
 いざ勝負ッ!


* 次回からはパチンコ用語が頻繁に出てきます。未経験者の読者の方のためにも、なるべくわかり易く書いたつもりですが、あまりに解説が多くなると、くどくなるので、詳細は割愛しました。雰囲気で察して下さい(笑)。

湯煙銀玉紀行(第3話)

 平成29年9月9日(土)。
 朝1でやっておきたいことがあったので、待ち合わせは11時と遅い時間にしてもらいました。そこまで気合を入れる企画でもないしね(苦笑)。
 旧静岡市在住のリリーさんに、旧清水区にある僕の自宅まで来てもらい、僕の車に乗り合せて出発。企画立案が僕だったため、今回は僕が車を出すことにしたのです。
 職場の話をしながら国道52号線を北上。ナビに登録がなかったため、到着寸前で戸惑ったものの、午後1時過ぎに、目的地である『まほらの湯』に無事に到着。
 駐車場に車を停めたところで、近所で『下水道祭り』なる非常に興味深い祭りが催されていることが発覚しましたが、
「下水道って言われたら、さすがに興がそがれるよねぇ」
 との意見で一致し、何はともあれ飯と風呂と、施設内に行くことに。今にして思えば、ネタ作りに行くべきだったと反省しております。
 さて、料金を支払い施設内に入ると、(良い意味でね)如何にも町の温泉施設といった雰囲気です。
 食事処の営業時間が午後2時までなっていて、風呂にゆっくりつかっていたら、飯を食いそびれると、まずは食事にすることに。
 食堂のメニューを見ると、若干のご当地メニューこそあったものの、どこでも食べられそうなメニューが大半を占めています。言い換えれば、わざわざ山梨まで来て食べなくても良いのではといったわけですよ。
 リリーさんが悲しげな表情で僕を見て言います。
「本当にここで食べるの?」
 僕も正直なところ大変に迷ったのですが、ここで風呂に入ってから、付近で飲食店を探していたら完全に飯時を逃すので、こちらの食事処を利用することを決断しました。僕はチャーハン、リリーさんはもつ煮と何か(忘れた。いい年になると忘れっぽくなりますな)を頼みました。
 食券を購入し、窓口のおばちゃんに提出。完成すると、おばちゃんが大きな声で客を呼びつける斬新なシステムでした(笑)。
 さて、肝心なお味ですが、チャーハンはこういったところで食べる分には充分美味しいものでした。強いて難点を述べれば、かなり量が少な目でしたねぇ。たぶん僕がデブの大食漢であることを差し引いても。
 食事を終えた僕は、いよいよ温泉へと向かいました。 (つづく)

湯煙銀玉紀行(第2話)

 ここで当ブログに初登場となる職場の後輩についてご紹介。 
 名前は『リリーさん』。30才、男性。これぐらいでいいか。
 話し合いの結果、9月9日(土)がお互いに都合が良いので、決行日はその日に定めました。
 日程が決まったところで、リリーさんから、
「どこのスーパー銭湯に行くか決まってるの?」
 と、当然といえば当然の質問がありました。
 個人的には自宅周辺のスーパー銭湯以外なら、どこでも良かったので、そこまで遠くにいくこともないと考えていました。前に富士川楽座(道の駅)を北上しているときにスーパー銭湯と思しき建物を見かけた気がしたので、そこにしようかなと。
 しかしながら、よくよく思い返してみると、僕がその建物を見た記憶が10年くらい前だったので、念のため探りを入れてみることに。
 すると、いくらインターネットで調べても記憶の場所に、スーパー銭湯の記載はありません。今の時代にホームページを作らないスーパー銭湯があるとも思えませんが、万一にもそんな銭湯もなきにしもあらずと考え、周辺地域に詳しい人が多い嫁の職場で、聞き込みを行ってもらうものの該当する施設は見当たりませんでした。
 おそらく僕の勘違いなんでしょうけど、もしも富士川楽座の前を北上し、52号線に合流する通り沿いにスーパー銭湯がある(あった)ことを、ご存知の方がいたら、こっそり教えて下さい。
 さて話をもとに戻して、スーパー銭湯探しです。とりあえず上述のところはないものとして、次の候補地を考えなければなりません。まったく別の場所を探しても良かったのですが、なんとなく脳内が52号線周辺になっていたので、そこら辺で考えてみたところ、通り沿いに幾つかスーパー銭湯があった気がします。
 そういえば、『ゆの里』なんてのがあったなと思い、再びインターネット検索するも……見当たらず。いや、間違いなくあっただろうと、意地になって地図で探すとあったのは『ゆばの里』(笑)。こいつは完全に僕の勘違いですね。
 結局、地図で『ゆばの里』を探す際に、そこから北上したところ、南アルプス市に『まほらの湯』なる温泉施設を発見したので、そちらを目的地にすることにしました。
 人間の記憶なんてものは当てにならないことを痛感しつつ、次回に続きます。 (つづく)

湯煙銀玉紀行(第1話)

 平成29年7月末。待ちに待ったドラクエの新作が発売されました。
 それからというもの、休日はドラクエ三昧。約1ヵ月半をかけてクリアしました。そのとき思ったこと。
 あー、ゲームやり過ぎて肩がこったな。温泉にでもつかって、のんびりしてぇ。
 お気軽に行ける温泉といえば、自宅近くのスーパー銭湯が挙げられますが、このときは何となく、いつも行ったことのない温泉に行ってみたい気分でした。そういえば前にドライブしていたとき、スーパー銭湯っぽい建物を見かけた気がするから、そこに行ってみようかなと。
 さらには遠出するからには、ただ温泉に行って帰ってくるのはもったいないとも思いました。どうせなら観光でも挟めれば、ブログのネタにもなるしね(笑)。ただ僕が行こうと考えている地方(制作上の都合で今回では具体的な地名は伏せます)に、観光スポットなんてあるのだろうかといった懸念事項もあります。まぁないことはないのだろうけど、いわゆる一定の水準を満たしているものがあるのかなと(笑)。
 そんなことを考えている僕に名案が浮かびました。タイトルから察している賢明な方は、既に嫌な予感がしていると思いますが(笑)、行った先のスーパー銭湯近くのパチンコ屋に入り、一勝負して旅費を賄えば企画として面白い上に、何より自分の欲望が満たされるため、筆者にしろ、読者の皆さんにしろ、楽しめるって寸法ですよ。
 おお、なんと素晴らしい企画ではないか!
 自画自賛したところで、ひとつ問題があることに賢明な筆者は気付くわけです。
 その問題とは、そう! 『誰が同行してくれるか問題』です。
 ご存知のとおり(?)寂しがりの筆者は、同行者がいないと遠方までのドライブがしたくないのですが、美食倶楽部の仲間にはパチンコ・パチスロをたしなむ人が皆無。こればっかりは、お世辞にも低額とは言えない金銭負担を強いるので、無理矢理に誘うのもためらわれます。
 さて、どうしたものかと思っていた矢先、職場でこんなクズ的な企画を考えていると後輩に話したところ、パチスロ好きな彼から、
「その企画、面白いっすよ!」
 と、えらく前向きな発言が聞かれました。
 こうして企画が成立しました。 (つづく)

キクチクエストⅡ(最終話)

 楽しい時間は、瞬く間に過ぎるもの。
 あまり長居しても、片づけがはかどらないと思い、2時間程滞在して午後2時頃に新居を辞すことに。
 お土産にと、スバル最中(スバル車の形をした最中)なる面白一品を頂き、丁重に礼を述べて退散しました。
 出発して間もなく、所要にて近くのウエルシア薬局に車を停めたところで、ホリコからある提案がありました。
「最近、御朱印集めをしているんだけど、この近くに世良田神社って言う、徳川家康を祀った神社があってね。そこに行ってみたいんだけど、いい?」
 あー、言われてみれば今回は、キクチ家にお邪魔することばっかりに頭が行って、観光のことまで考えてなかったな。
 せっかく群馬まで来て、どこにも寄らないで帰るのも芸がない。ましてここまで運転してくれたホリコ立っての願いとあっては、行くしかありません。
 NOVさんの承諾も得て、僕らは世良田神社へと向かいます。
世良田神社は、キクチ宅から20分程のところにあり、程なくして到着。
 幸いなことに駐車場が空いていたので、駐車して歩いて行くと、そこには鄙びた良い感じの神社がありました。
 参拝者はちらほら。天候の良さもあって、散策するには最高の場所でした。寄ったからには参拝すべしと、祈っているときに本日の最大の事件が起こりました。
 祈っている僕らの前を、黒猫が通り過ぎたのです。
 日本では黒猫が目の前を横切ると不吉と言います。
 神に祈っている最中に、黒猫が前を横切るってどういうこと? まぁ笑いになったわ。
参拝を終え、ホリコが無事に御朱印をゲットしたところで、僕らは帰路に着きました。
 その後、深夜0時半頃。無事に清水に舞い戻った僕らは、給油、清算を終え解散しました。
 今回の旅を終え……えっ、何ですか? 総括する前に今回の旅には不自然なことがあるって? はてさて、なんのことでしょう?
 どうしても指摘したい方がいたら、個別にお願いします。
ミステリー要素も取り入れた今回の旅の報告は、これにて完了。
 おめでとう、キクチ! (キクチクエスト? 完)


 Cast

ゲン(二日酔い)
NOV(助手席)
ホリコ(運転)
キクチ&ご家族(祝新居)


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:『炎のたからもの』ボビー
企画:美食倶楽部
制作総指揮:ゲン