2008-01-01から1年間の記事一覧

いざ、鎌倉! (最終話)

僕が、良い女がいるとの報告を、ある程度の声量で仲間にした刹那のこと。肝を冷やす事態が起こりました。 小太り、スキンヘッドで、休日にも関わらずノーネクタイ、スーツ姿の怪しげなおっさんが、僕らの横を歩いていたのですが、そのおっさんが僕の指摘した…

いざ、鎌倉! (第5話)

ラーメンに打ちのめされた僕らは、駅前に用意された周辺の地図を表示した看板の下へ。それで確認すると、目的地の1つであった鶴岡八幡宮は、鎌倉駅の近くにある様子。 しかし、これまでの経緯からして(笑)、もう1度江ノ電に乗り、鎌倉に行く気には到底な…

いざ、鎌倉! (第4話)

山勘で進んだ道で、見事、大仏を発見した僕ら。 しかしねぇ、みなさん。これ、美食倶楽部の話ですよ。そんなに上手く話が進むわけがないじゃないですか。 大仏に向かう人々の群に合流したところで、僕らは知ってしまったのです。ある衝撃の真実を。 なんと人…

いざ、鎌倉! (第3話)

そこそこの賑わいを見せる藤沢駅周辺。飲まず食わずで、現地までやって来た僕らは、まず軽食が取れる飲食店を探します。朝が早いせいもあってか、開店している店も少なかったわけですが、NOVさんの推薦もあって、サンドイッチのチェーン店『サブウェイ』…

いざ、鎌倉! (第2話)

10月某日。僕らの企画にしては珍しく見事な秋晴れの天気となりました。いつも大概、雨なんですけどね。 午前6時45分。愛車で自宅を出発した僕は、ガソリンを給油後、NOVさん宅へ。アルコール残量相当のNOVさんと合流後、ジョイトイ宅へと向かい、…

いざ、鎌倉! (第1話)

9月某日。草薙駅周辺の某居酒屋で、美食倶楽部の企画会議が密かに行われておりました。参加者は、僕(ゲン)、NOVさん、ジョイトイ氏、無双祭さん、クロさんといった面子です。 すっかりアルコールが体内に染み渡った段階から始まった話し合いの結果、ま…

新作プロローグ(第7話)

総理大臣と、孫娘のやり取りを見ている最中、ゲンの心境に変化が起こった。 ゲンは2人の会話に割って入った。 「気が変わった。美食倶楽部に、第一線に戻ることにする」 先程と正反対の発言に、総理大臣と孫娘は言い合いを止め、ゲンの方を凝視した。 総理…

新作プロローグ(第6話)

SPの問いかけに、みすぼらしい格好の男が応えた。 「いかにも、私がゲンだ。もっとも美食倶楽部の会長だったのは、昔の話だがね」 しらばっくれても、おそらく相手に正体が暴かれていると察したゲンは、正直に名乗った。 するとSPに代わって、首相が彼の…

新作プロローグ(第5話)

美食倶楽部本部への突撃訪問から2日後の首相官邸。某国の大臣と面会中の総理大臣のもとに、秘書から何やら耳打ちがなされた。 その直後、総理大臣は適当に話を切り上げ、個室へと戻った。直後、総理大臣は秘書に確認を取る。 「本当か? 美食倶楽部会長ゲン…

新作プロローグ(第4話)

1国の首相に頭をさげられても、如何ともし難い状況に変わりはない。 ゲンが消息不明であるとの旨をジョイトイから聞かされると、首相の表情が曇った。 「なんと、ゲン君は行方知れずと?」 「はい、会員はおろか、我々、取締役連中でもヤツの所在は定かであ…

新作プロローグ(第3話)

騒然とする玄関先では、とても話ができる状態ではない。NOVとジョイトイは、総理大臣を重役室へと通した。 総理大臣は椅子に腰を下ろすと、付き添って部屋に入って来た2人のSPに部屋の外で待つように指示を出した。SPが完全に退室したところで、総理…

新作プロローグ(第2話)

ジョイトイとNOVが話し合っている重役室に、ホリコがノックもせずに入ってきた。ひどく焦っているようだ。 尋常でない様子に、NOVが問いただす。 「なんだ、ホリコ? そんなに慌てて?」 「NOVさん、ジョイさん、大変だ! そ、ソウリが……」 「……ソ…

新作プロローグ(第1話)

静岡県静岡市清水区某所にある美食倶楽部本部事務所。その重役室で、重鎮ジョイトイが1人、経理業務に追われていた。 「んっ……。なんだこの領収書は? 伊豆の有料道路だって? 最近、倶楽部の用事で伊豆に行った話なんて聞いてないぞ。おそらくこりゃ誰かが…

名古屋食い倒れの旅(最終話)

最寄りのインターから高速に乗った僕らは、静岡に向かって怪走(誤字ではありません)します。 その車内での話題は、当然ながら、この日の企画についての感想です。車内での会話をまとめると、次のような感じです。 「いやはや、なにはともあれ、よく歩いた…

名古屋食い倒れの旅(第11話)

食事を終えたところで、時刻は午後6時。あたりはすっかり暗くなりました(ブログの公開は6月ですが、企画の実行は3月上旬なのです)。夜の街の風情を味わいながら、僕らが向かった先は三越デパート。 昼過ぎにも、僕のわがままを聞いてもらい訪れていたの…

名古屋食い倒れの旅(第10話)

「ええい! こうなった以上は、もう某有名チェーン店の味噌カツで結構だ! これがわざわざ静岡からやって来た旅人に対する仕打ちかッ!」 休業の張り紙にブチ切れ、今にも入り口の扉に鉄拳を叩き込まんばかりの僕を、NOVさんとホリコが必至に諌めます。 …

名古屋食い倒れの旅(第9話)

ホリコ、まさかのシフォンケーキ食いの衝撃も冷めやらぬまま、僕、NOVさん、無双祭さんの3人は、運ばれてきた小倉トーストにパクつきます。 油断すると、机に落下する餡に気を配りながらも完食。しかし、なんだろう、この胸に広がるモヤモヤ感は……。決し…

名古屋食い倒れの旅(第8話)

小倉トーストのおいてある喫茶店を求めて、来た道とは別ルートで、栄に戻る僕ら。しかし歩けど歩けど、どの店も閉まっていたり、表に展示されたメニューに小倉トーストが謳っていなかったりと、これぞという店を見出せぬまま、ついには栄の外れまで来てしま…

名古屋食い倒れの旅(第7話)

名古屋城には、運動と散策を兼ねて徒歩で向かうことにしました。 よく名古屋の女の人は、ブサ○クが多いと言いますが、別にそんなことはないというか、むしろ可愛いじゃないか、などと思いつつ歩を進めている(結局、地方でもそんなところしか見ていない)と…

名古屋食い倒れの旅(第6話)

某有名チェーン店を諦めたところで、時刻は既に午後1時半。もうため息しかでなくなりました。 「やれやれ。ここまで来て、プランが白紙に戻るとは思わなかったな」 嘆く僕に、ホリコが言いました。 「ねぇ、味噌カツ屋の隣のひつまぶし屋なら、けっこう空い…

名古屋食い倒れの旅(第5話)

味噌カツ屋を発見できぬまま、栄の街をふらつくこと約1時間。空腹での強行軍に、我々の士気は下がる一方です。 このままでは、どうにかなってしまうYO! そう判断した僕は、妥協案を出すことに。 「こうなった以上は仕方ない。どこか適当なデパートに入ろ…

名古屋食い倒れの旅(第4話)

熱田神宮から栄を目指し北へ向かう僕ら。 道中、車の窓から何気なく外を見ていた僕の目に飛び込んで来たのは、某パチンコメーカーの直営店。そういえば、名古屋ってばパチンコの本場じゃないですか。雑誌でよく見かけるホールを目の前にして、ギャンブラーの…

名古屋食い倒れの旅(第3話)

ワンダーフォーゲル群との出会いより数十分後。無事に無双祭さんと合流を果たした僕らは、最寄りのインターから東名高速道路に乗り、一路西へ。昔、どっかの誰かさんが、『さよならマーチの旅』と号して、下道で西に向かったことがありましたが、さすがに高…

名古屋食い倒れの旅(第2話)

3月8日。朝8時15分。 前回記載の年間活動計画決定会議、またの名を新年会の折に執り行われた『車出しジャンケン』(ネーミングのとおり、敗北者は車を調達せねばならない。できれば負けたくないジャンケンのこと)で、無念の敗北を喫したホリコが、ご自…

名古屋食い倒れの旅(第1話)

いやー、やっぱりフィクションじゃなくて、ノンフィクションは書き易くてええわぁ。企画をやらずに済むんで、フィクションの方が楽かと思いきや、どっこいプロットを決めずに見切り発車で書き始めると、たいへんなことになるとつくづく実感しましたよ。 ……あ…

次回予告⑩

えー、たいへん長らく続いていた美食倶楽部最大トーナメントですが、どうしてもその後の展開が思いつきません。そこであの話は一旦休憩を頂き、先日行った美食倶楽部の企画を報告をさせてもらいたいと思います。ご承知おきを。 とは言っても、今回は次回予告…

美食倶楽部最大トーナメント (第44話)

本当にご無沙汰しています。 最近恒例の1ヵ月更新です。このシリーズだけ書き終えれば、いま少しテンポがよくなろうかと思いますので、もう少しだけお付き合い下さいませ。もう準決勝2試合目だからね。 ゲン敗戦。 この結果を見届けるや、エブフライの弟子…

美食倶楽部最大トーナメント (第43話)

うわぁ。昨日、車洗ったばっかなのに、なんだか雨が降ってるよ……。 「ゲンよ、貴様の致命的な弱点。それは貴様が暗黒の笑いの使い手だと言うことだ」 聞き慣れない言葉に、ゲンが苦笑を浮かべる。 「何を言うかと思えば、言うに困って、暗黒の笑いだと。カッ…

美食倶楽部最大トーナメント (第42話)

本日、美食倶楽部の新年会および2008年の年間企画会議を行って来ました。そのうちの幾つかを、いずれここで披露できれば良いと思います。その公開に向けて、この話をさっさと終わらせないとねー。 と言いつつも、今日からの話はボリューム満点の好カード…

美食倶楽部最大トーナメント (第41話)

今日も更新します。 1月に入ってから、働きすぎですね僕。 2回戦の結果を見届けると、美食倶楽部の若い衆は、会長ゲンの控え室に報告へと走った。部屋に駆け込むと、腰掛けにふてぶてしく座り、ブランデーを楽しんでいるゲンの前にひざまずく。 「申し上げ…