新作プロローグ(第7話)

 総理大臣と、孫娘のやり取りを見ている最中、ゲンの心境に変化が起こった。
 ゲンは2人の会話に割って入った。
「気が変わった。美食倶楽部に、第一線に戻ることにする」
 先程と正反対の発言に、総理大臣と孫娘は言い合いを止め、ゲンの方を凝視した。
 総理大臣がゲンに訊ねる。
「なぜ急に心変わりを?」
 ゲンは面倒臭そうに、頭を掻きながら応えた。
「美食倶楽部の行動の理念を思い出した」
「というと、やはり金か?」
「バカ言っちゃいけない。美食倶楽部が立ち上がるとき、それは人々の笑顔のためだ」
 そう言って立ち上がると、ゲンは総理大臣の孫娘に近づき、人やし指の裏で涙を拭った。
「さっそく何か企画を行うことにしよう。しばらく間が空いちまったが、またこまめにチェックしてくれ。じゃあな」
 言うなりゲンは、小屋を後にした。
 丹沢山系から美食倶楽部の本部事務所に戻ったゲンは、威勢良く指示を下した。
「企画会議を行う。草薙の居酒屋に人を集めてくれ!」
 こうしてゲンは、美食倶楽部に復活し、ブログの更新を続けることになったのである。


 キン〇マンのエピソードを繋ぎ合わせたかのような作品は、今回で終了し、次回から従来の形式に戻ります。 (新作プロローグ 完)