名古屋食い倒れの旅(第7話)

 名古屋城には、運動と散策を兼ねて徒歩で向かうことにしました。
 よく名古屋の女の人は、ブサ○クが多いと言いますが、別にそんなことはないというか、むしろ可愛いじゃないか、などと思いつつ歩を進めている(結局、地方でもそんなところしか見ていない)と、行く手に三越デパートを発見。
 旅に出る前日、うっかりと職場で、
「俺、土曜日に名古屋に行って来るみゃぁ」
 などと、ほざいてしまったところ、先輩に、
三越に行って、両口屋是清のお菓子を買って来てよ」
 と、指令を受けてしまったので、ここは他の参加者に頭を下げて三越へと突入。無事に菓子を買うことに成功したものの、実は欲しいのは、これじゃなかったと月曜に言われたり、結局のところ帰り際にもう1度、三越に来たので、この時点で買ってしまったことで、ただの荷物になったりと、悲しい事件が続発したものの、それは後になって分かることなので、このときの僕は満足して三越を出ました。
 再び、名古屋城を目指す僕ら。喫茶店で有名な名古屋ですから、味噌カツ屋同様、そんじょそこらに乱立していると思いきや、それがいっこうに見当たりません。たまにあっても閉まっている店ばかり。自分達を納得させるために、オフィス街だから、土日は休みなのだろうとの結論を導き出したわけですが、なんだか釈然としない具合です。
 そうこうしているうちに、城っぽい屋根が見えて来ました。お、名古屋城って、意外と近いじゃないか。
 喫茶店が見つからず、士気が下がり気味の参加者達に僕は叫びました。
「もう名古屋城が見えてきたよ!」
 が、しかしこれが城っぽい屋根をした県庁だとか、市役所だったりして、僕らの士気もさらに低下。そして意外と栄から遠かった名古屋城に着いたときには、けっこうな疲労感が僕らを襲いました。さらには、名古屋城も上り階段も多いわ、人も多いわで、疲労感は倍増。
 こんな疲労感には、やっぱり甘いものでしょう。
 天守閣から降りてきた僕らの意見は一致しました。
 こうして僕らは、再び栄に向けて歩き出しました。もちろん小倉トーストの置いてある喫茶店を探しながらです。(つづく)