名古屋食い倒れの旅(第6話)

 某有名チェーン店を諦めたところで、時刻は既に午後1時半。もうため息しかでなくなりました。
「やれやれ。ここまで来て、プランが白紙に戻るとは思わなかったな」
 嘆く僕に、ホリコが言いました。
「ねぇ、味噌カツ屋の隣のひつまぶし屋なら、けっこう空いているよ。夜に食べる予定なら、昼と順序を入れ替えて、先にひつまぶしを食べるのはどうだろう?」
 お、ザ・ニンジャ(分からない人はキン肉マンを読もう!)お得意の順逆自在の術ですな。もちろん、これだけ腹が空いているわけだから、反対する人がいるはずもありません。僕らはひつまぶし屋に突入しました。
 ホリコの読みどおり、そんな待たされることなく、間もなく席に案内された僕ら。僕とNOVさんとホリコが予定通り、ひつまぶしを頼み、無双祭さんが上うな丼を注文。なぜ無双祭さんが、上うな丼にしたのか、その真意は最後まで明らかにされなかったので触れないで下さい。無双祭さんが、気が向いたら、コメントに真相を書き込んでくれると僕は信じています。振ってすまん!
 ご存知の方も多いと思いますが、ひつまぶしとは、うなぎの混ぜごはんを1杯目は普通に、2杯目はねぎやわさびなどの薬味を混ぜて、3杯目はだし汁をかけて頂くものです。もちろん、この順でなく好きなように食べてもいいのですが、僕はスタンダードに食べてみました。
 さすがに高いだけあって(うろ覚えですが2500円くらい)美味かったです。僕のベストは、2杯目の薬味混ぜでしたかね。反対に3杯目のだし汁は、だし汁が薄くて(バカ舌なだけでしょうか?)いまいちだった気がします。昔、近所の居酒屋で食ったヤツは、だし汁が美味かっただけに、名古屋までこれかよと、ちょっと不満の残る結果でしたが、まぁまぁ合格点だったと言えましょう。
 会計時に、キャンペーンとかで、次回来店時に1000円引きという、ありがたいクーポン券をもらいましたが、4月末までの有効期間じゃ、絶対に使う機会がないと思いつつ不承不承財布にしまったことを、今でも鮮明に覚えています。なんだ、この思い出? ていうか、これから入る人にあげれば良かったんだけど、そこまで気が回らなかったよ。
 店を出たところで、僕らはこの後どうするかを話し合います。以下、そのダイジェストです。
「さて、一息ついたところで、これからどうしましょうか?」
「昼まで時間が空いたんで、重いヤツでなければ、まだ1食くらい食えそうですね。小倉トーストとかなら」
「じゃあ、喫茶店でも探しながら、せっかく名古屋まで来たことですし、名古屋城にでも行ってみましょうか」
 こうして遅めの昼食を終えた僕らは、名古屋城へと向かうことにしたのでした。(つづく)