いざ、鎌倉! (第5話)

 ラーメンに打ちのめされた僕らは、駅前に用意された周辺の地図を表示した看板の下へ。それで確認すると、目的地の1つであった鶴岡八幡宮は、鎌倉駅の近くにある様子。
 しかし、これまでの経緯からして(笑)、もう1度江ノ電に乗り、鎌倉に行く気には到底なれなかった僕らは、鶴岡八幡宮をスルーして江ノ島に向かうことに。
 すまん、無双祭さん。あなたの提案した鶴岡八幡宮に行くことができなんだ。ぜひ、個人で鎌倉に行かれたときに、ご自身の目で、どんなところか確かめて頂きたい。
 などと、言い訳を考えながらも、僕らは江ノ電にて江ノ島駅へ。すると、駅前から江ノ島に向かう最中に、あるわあるわ、『しらす丼』をはじめとした相模湾の海の幸を取り扱った飲食店がズラり。
「ウッキーッ! どうして俺達は、ここまで昼飯を我慢できなかったんだッ! どうしてあそこでラーメンを食ってしまったんだッ!」
 怒り狂い、発狂寸前の僕をNOVさんがなだめます。
「まぁまぁ、ゲンさん。シラスが名物とか謳ってますが、静岡だってシラスを売ってるじゃありませんか。たぶん、そう味に大差ないっすよ。ていうか、むしろボッタくりのような値段ですから、静岡に帰ってから、テメェで作った方が安上がりですよ」
「むむぅ、そうかのぅ」
 NOVさんに諭されては、僕も黙るより他ありません。
 そんなやり取りをしながら、僕らは橋を渡って江ノ島へと向かいます。土曜日だけあり溢れるような人、人、人。島に渡ってからは、通路が狭いこともあり、もう息苦しいったらありゃしないぐらいで。
 それでも両脇には土産物屋が軒を連ねているので、そちらで楽しもうかと思うも、売っているものが、どう見ても修学旅行生向けのような物ばかりで、あまり興味を引かれることもなく、僕らはさっさと歩いて、けっこうなスピードで江ノ島の中枢にある神社へと辿り着いたのでした。
 適当に祈りを捧げたものの、なんだか見せ場なく終わった江ノ島に消化不良気味の我々が始めたのは、カワイイ女の子探しでござる。ええぃ、引くでない! こんなこと改めて今ここで書いただけであって、企画当初……というか、常に美食倶楽部の企画で行われていることじゃッ!
 というわけで、地方でもいつもと変わらないことを始めた僕ら。
 すると、間もなく短パンみてぇのにブーツの美女を僕が発見。さっそく周囲の仲間に通達したのは言うまでもありません。
「ねぇ、あそこのコ、良くない?」
 これが不用意な発言だったことに、僕は間もなく気づくことになります。 (つづく)