いざ、鎌倉! (第4話)

 山勘で進んだ道で、見事、大仏を発見した僕ら。
 しかしねぇ、みなさん。これ、美食倶楽部の話ですよ。そんなに上手く話が進むわけがないじゃないですか。
 大仏に向かう人々の群に合流したところで、僕らは知ってしまったのです。ある衝撃の真実を。
 なんと人々の群は、江ノ島電鉄の某駅から続いているじゃないですか!
 つまり、こういうことだったのです。大仏は鎌倉ではなく、鎌倉よりも3つ手前の駅の近くにあった! ははぁーん、なるほど。僕らが江ノ電に乗車中、終点の鎌倉駅の3駅前で、妙に乗客が降りていたのは、そこが1番名所の大仏に近かったわけだからですか。 納得、納得。……畜生、クソ暑い中(企画当日、10月ではありますが、けっこう暑かったのです)、何キロも歩いちまったじゃねぇか。
 それにしたって、鎌倉=大仏ってイメージがあるんだから、これは仕方のないミステイクだったと思います。いや、それどころか、前述のイメージを利用すれば、とんでもないトラベルーミステリーが書けるかもしれませんぜ、西村京○郎先生! ……はい、下調べをすれば、ある程度わかったことですね。どうも、すみません。
 まぁ引きずっても仕方のないことなので、出店で混み合う歩道を縫うようにして、僕らは大仏見学へ。聞くところによると、NOVさんとジョイトイは、小学校の修学旅行で来たことがある(ジョイトイにいたっては、近年のブラリ旅でも)そうなので、実際に初見となるのは、僕だけなのです(僕だけ2人と異なる小学校の出身なのです)。それだけにどんなものかと楽しみにして現地に赴いた感想は……小せぇ! 中にも入れると聞いていたので、相当でかい大仏様(高さ100メートルぐらい)を想像していたのですが、なんかもう全然で(苦笑)。
 遠くの駅から下りて歩く羽目になるわ、大仏は期待はずれだわで、結構なフラストレーションをためてしまった僕らは、とりあえず昼食を食べて、体力と気力の回復を図ることにしました。
 しかし、大仏に続く道の脇にある店は、どれも決め手に欠けるものばかり。そうこうしているうちに、最寄り駅まで到着してしまった僕らの目に止まったのは、駅の脇にある見た目は良さそうなラーメン屋。
「この際、あのラーメン屋にするか?」
「しかし、鎌倉まで来て、昼飯がラーメンってのは虚しいだろ」
「だが、次に降り立つ駅周辺に、美味そうで名物染みた店があるとも限らんわけだしさ」
 こんな話し合いの結果、僕らは妥協し、目星を付けたラーメン屋へと突入したのです。しかし残念なことに、味はイマイチ。静岡でラーメンを食べ歩いた僕らを満足させるには至りませんでした。美食倶楽部の名は伊達や酔狂じゃねぇんだよッ!
「くそッ、鎌倉に来てからロクな事がねぇッ!」
 どこまで続く? 美食倶楽部を襲う負の連鎖! (つづく)