美食倶楽部最大トーナメント (第42話)

 本日、美食倶楽部の新年会および2008年の年間企画会議を行って来ました。そのうちの幾つかを、いずれここで披露できれば良いと思います。その公開に向けて、この話をさっさと終わらせないとねー。
 と言いつつも、今日からの話はボリューム満点の好カード、ゲンVSジョイトイだったりしますが。



セミファイナル第1試合 ゲンVSジョイトイ
 ゲンの入場に続き、ジョイトイも入場を終えると、両者はリングの真ん中で視察戦を開始した。どちらも一歩も引くことなく、激しいにらみ合いとなった。
 先に口を開いたのは、ゲンの方だった。
「KYパワーがもたらす天然なんか、おもしろくねぇってことを、俺が証明してやる。てめぇのバカヅキも、ここまでだ」
 もちろん、ジョイトイも負けてはいない。
「こんな言葉を知っているか? 『弱い犬ほど良く吠える』ってな。今までアンタのことも考え、指摘こそしなかったが、アンタの笑いには致命的な欠陥があるんだよ。だが、今日という今日は、俺も堪忍袋の緒が切れた。その欠陥をつかせてもらう。今日、この日本武道館が、アンタの笑い人生の終焉となるだろう。この地に墓標を刻むがいい」
「黙れ、小僧(美和明宏風)! その強がり、減らず口も、すぐに叩けなくしてやる!」
「俺の言葉が強がりか否か、全身全霊で、とくと受け止めるがいいさ!」
 ジャンケンの結果、ゲン先攻、ジョイトイ後攻と決定した。攻撃開始の合図が掛かると、ゲンがバカ笑いをする。
「ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ。俺に先攻を取られるなんて、つくづく運のないやつだぜ。瞬殺、確定ってか。ミュージック、スタートッ!」
 ゲンが指を鳴らすと、会場にテンポの良い音楽が流れ始めた。松崎しげるの『黒ひげポン!』である(わからない人は、知り合いに聞いて下さい)。
 彼はリズムに乗って、ダンスを踊りながら替え歌を披露する。
「♪おいらはハルロー 天然ハルロー アニマルシャツがお気に入り ポン ポン ポポンポン ハルローポン!」
 ノリノリで3番まで唄い切ったゲン。ジョイトイの特徴を見事に捉え、なおかつ面白おかしい歌詞に会場は沸き返る。しかし、ジョイトイは全く笑う素振りもみせず、ゲンの攻撃を耐え切った。そんなジョイトイにゲンが声をかける。
「ほぅ。俺の攻撃を耐え切るとはな。ちぃたぁやるじゃねぇか」
「言ったはずだ。貴様の笑いには、致命的な弱点があるとな」
「適当こくんじゃねぇ!」
「俺は、嘘など言わん。どうしても信じられないなら教えてやろう。貴様の弱点、それは……」
 次回、ジョイトイがゲンの致命的な弱点を指摘する。 (つづく)