デッドリードライブ 〜飯田篇〜(最終話)

 札幌に戻った俺は、時計台を見た後で、札幌で1番の繁華街でありススキノを見学することにした。
 こうしてススキノに着いた俺だったが、特に何もしないで帰ることにした。む、今、俺のことをチキン野郎と呼んだのは、どこのどいつだ!? 得意の極真空手で叩き殺すぞ! こんなところで金を落とすのは、もったいないと思ったんだよ! 俺の経済観念を嘗めるな!
 ……すまない、俺としたことがつい興奮してしまった。ススキノから札幌駅まで歩いて戻った俺は、千歳に戻ることにした。千歳のホテルに2日目も泊まることにしてあったんだ。同じところに2日泊まった方が、お得だろう? なぁ?
 その後、ホテルの宿に戻った俺は、そこに入っているバーで一杯引っ掛けて眠ることにした。ススキノじゃなくて、ここいらで酒を飲む辺りの俺のオシャレさは凡人にはわかるまい。
 翌日、ホテルをチェックアウトした俺は、昼の飛行機が出る時間まで、近くにあるアウトレットで過ごすことにした。ここでは特に何もなかったが、まぁ雰囲気を楽しめただけでも良かった。
 アウトレットを出て、近くの駅から、いざ空港に向かおうと思った矢先、電車が事故で遅れるとの報告があって、さしもの俺も驚いた。タクシーを捕まえようかと思ったが、田舎らしく待機しているタクシーもない。このままでは飛行機の時間に間に合わぬと、途方にくれた俺だったが、ギリギリのところで空港行きのバスに乗ることができて、一件落着。行きと同様、飛行機、バス、電車と乗り継いで、自宅に帰ってくることができた。
 さっそくゲンの野郎に自慢してやろうと、ヤツが仕事から帰ってくる頃合を見計らって、俺はヤツに電話した。
 俺の話を聞くと、ヤツは、
「北海道に着いて、まず旭山動物園に向かうって、どんなおっさんだよ!」
「ホテルを千歳に取るなんて、ホント、バカだなぁ!」
「せっかく小樽まで行ったんだから、金をケチらずに海鮮系の食事をとれよ!」
「なんでいい年して適当なバスに乗って、違うとこに行っちゃうんだよ!」
「どうして数いる人の中から、中国人に写真を頼んじゃうわけ!?」
「ススキノ行って、何もしないで帰るなんて、貴様はどんだけチキン・ハートなんだよ!?」
 などと、様々な悪態を着いたが、どれも俺の北海道旅行を羨む気持ちから出た嫉妬だろう。本当に尻の穴の小さい男だ。
 以上が、俺の旅の話だ。今回の旅で得た知識は、旅に出る前にはしっかり計画を立てるべきだと言うことだな。
 ……むっ、誰だ、そんなことは中学の班行動で学ぶべきことだと言ったやつは! まぁ良い。俺の旅の全容を見て、俺と旅がしたいヤツがいたら、ゲンのヤツを通じて連絡をくれ。きっと楽しい旅になること請け合いだぜ。
 それじゃあ、また会おう!


CAST


ゲン
無双祭
ジョイトイ(特別出演)


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:吉田拓郎『唇をかみしめて』
制作統括:ゲン