怨足(第1話)

 2012年、夏。
 我々、美食倶楽部において、久しぶりに旅ではない荒々しい企画が決行されようとしていました。名づけて『夢ウォーク』。
 夢ウォークとは、猛暑の中、清水の桜橋の辺りから、久能にある駿府夢広場(スーパー銭湯)まで歩いていくというもの。さらには、いわゆる男気ジャンケン(1番勝った人に何らかの罰ゲームが見舞われる)をチェックポイントごとに行い、勝者の腕には、3キロの重りが付けられるというのですから、なかなかどうして、クレイジーな企画でございます。
 ですが、この企画。とある理由で流れてしまったのです。大層な理由ではありません。企画決行日が雨天で、なおかつ各参加者の予定が合わずに代替日が設けられなかったことで、やむ終えず無期限延期処置が取られたのです。
 その結果、企画を決行することなく、年が明けてしまったのですが、今年最初の企画会議で、
「雪が怖くて遠征には行き辛いのぅ」
「だったら近所で済む企画をやるしかねぇな」
「そういえば、『夢ウォーク』はやらずじまいだったから、アレをやるか?」
「真夏の猛暑日にやらないと、キツくないんじゃない?」
「真冬にやるのも、乙なものじゃないか? 歩いて汗ばんだ服に、強烈な海からの風が吹きつけて、凍りつくような冷たさなって、体温を奪われる。ある意味、夏よりも危険かも知れん」
「じゃあ、いっちょやってやりますか!」
 といった具合に、開催が決定されたのです。
 ちなみに、このクレイジーな如何にも昔の美食倶楽部っぽい企画に参加する勇者は、こちらの面々。
 ゲン、NOV、ホリコ、無双祭!
 えっ、ジョイトイはいないの?
 そう思った読者の皆様、大変に申し訳ございません。
 当ブログの絶対エース、ハルロー・オブ・ジョイトイでございますが、
「僕は裸を他の人に見られたくなーい❤」
 などと、わけのわからないことを強硬に言い出し、今回の企画には不参戦となりました。ここに謹んでお詫び申し上げます。彼の体にどんな欠陥があり、裸を見られたくないのかは、読者の皆さんの想像にお任せしましょう。
 不思議ちゃん、ジョイトイ君の裸に思いを馳せながら、次回に続きます。 (つづく)