原付の旅② 清水〜井川120キロ (最終話)

 今日は、めずらしく夕食を外に食べに行きました。
 全国およそ1000万人の女性ゲンファンのみなさま(って言うか、女の人でこんなブログ読んでくれてる人いるのかよ?)、ご安心下さい。相手はおかんです。はな金なのに(寂)。
 当初は焼肉に行く予定だったのですが、最近どうも腹がゆるくて食欲がない(原因に心当たりの方は、今笑ってらっしゃるでしょうね)ので、そばにしてもらいました。晩飯にそばは、微妙と思われる方もいらっしゃるでしょうが(それこそ、そばに付き合わされたおかんは、帰宅後、弁当1個食ってました)、店が空いてていいもんですよ。
 事件は行ったそば屋で。注文したせいろそばが、来たときのことでした。薬味の乗った小皿のネギをツユに落としていたところ……あらいやだ、ワサビまで全部落ちちゃった。昭和のコントじゃねぇんだぞ!
 後悔したところで、どうにもならないので、我慢して食いました。ええ、終始辛かったですとも。そば湯をもらっても、もちろん使用することなどできるはずもなく……。こうして僕は、食べはじめからブルーな気持ちのまま、晩餐を終えたのでした。オイシイといえばオイシかったんですけど、美味しくはなかったです。
 さぁ、みなさんには、ワサビではなく、原付井川の旅で泣いてもらいましょう。感動の(たぶんしないけれど)最終回です! どうぞッ!


 ブッ込んで帰るんでよろしくッ! 威勢よく井川の街を飛び出した僕は、再び山道に挑みます。
 時刻はまだ5時前。明るい。闇に閉ざされた52号線に比べりゃ、こりゃ今回は楽勝だなァ。思わず頬が緩んだそのときでした。ポタリと、僕の顔にしずくが落ちてきたのは。まさか……。
 昔の偉い人(?)は言いました。――山の天気は変わりやすい。
 僕が前日に177番で確認した天気予報(=くもり)など、井川に向かう山道では気休めでしかなかったようです。間もなく、どしゃ降りに。さみぃよぉ……。
 フフフ、井川さん。最後にとっておきを出してくれましたねぇ。そうですよねぇ、僕の旅がそう易々と終わっちゃ、話になりませんもんねぇ。空気を読んでくれて、ありがとよ。でもな、こちとら、原付の帝王(自称)、引かぬ、媚びぬ、省みぬ! 突撃じゃぁッ!
 雨中を激走すること1時間弱。見覚えのある安倍川沿いまで戻って来たところで、雨は上がりました。雨さえ上がれば、もうこちらのものです。ウイニングランとばかりに家までの10キロを快走し、午後6時ジャスト、無事に自宅へと到着しました。今回の戦い、俺の勝ちだッ! さぁ、エンディングに行っちゃって! ……いけません。
 その後、大飯を食らい、部屋に戻ったときのことです。知らぬ間に相当体力を消耗していたせいか、僕はいつしか眠ってしまいました。しばらくして目を覚ますと……喉が焼けてる! 長年の経験から、これが風邪の前兆だということは、すぐにわかりました。案の定、翌日から熱が……。
 僕はマイナスイオンに癒されることすら許されないのか……。  (原付の旅② 完)


原付の旅② 清水〜井川120キロ スタッフ

出演:ゲン
文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:JUDY AND MARY 『BLUE TEARS』
企画:ゲン