男レース 三島〜清水60キロ (第5話)

 今日は、まず業務連絡から。
 職場の同期のみなさま。この間の飲み会のときの、多めに預かったお金で、お帳面をこさえました。現在3000円いれてあります。任意団体で作るのが面倒臭かったので、俺の名義で作ってしまったゆえ、事後承諾になりますがご了承下さい。何か必要な折には連絡くださいませ。3000円までだけど出ます! 睡眠に移らぬよう気をつけねば……。
 さて、小ネタでございますが、大変に汚く、気味の悪い話になるので、読むのなら覚悟して読んで下さい。


 朝、目覚めて屁をもようした僕は、尻に力を入れました。そう、昨晩から下痢気味だったことをすっかり忘れて……バフッッ!
 爆音と共に僕は、確かに何かが生まれた手ごたえを感じました。ああ、堕ちてゆく……。
 まぁ、そんなこんなで、朝から危険物処理班の出動です。こうして便所に入り、パンツを降ろした瞬間、僕は自分の目を疑いました。 
 そこには、本来パンツに付着しているべきはずのウ○コが、陰形すら存在せず、代わりに透明のジェル状の物体(生卵の白身みたいなの)が付着していたのです! 位置からして、僕の尻から出たことは間違いありません。……いったい、なんだよ、これ!?
 とりあえず時間がなかったので、早々にパンツごと葬って身支度に移った(ゴミの日でよかった)のですが、その後、冷静になればなるほど、ジェル状の物体が尻から出るはずがないわけで……。そのうち僕は、死ぬかもしれませんね(苦笑)。でもあとちっとだけ生きていてぇなァ。神様、もう少しだけ
 ともかく今日から仕事が強化月間みたいのに入るという日に、これ以上ないほど最悪のスタートとなりました。めでたし、めでたし。
 続きまして、男レースの第5話です!


 9月18日――男レース当日。マナーモードにしておいた携帯が充電器の上で踊る音で、僕は目を覚ましました(あら、なんか詩的な文章じゃない)。朦朧とした意識の中で、携帯を覗き込むと、
『いよいよ今日が本番ですね。頑張って下さい』
 との応援メッセージが。相手は職場の上司の方からでした。まさか若造が話した下らない企画の実行日を覚えてくれていて、なおかつわざわざメールをくれるとは思っていなかったものですから、感無量でした……って、まだ5時半じゃないっすかッ(笑)! いや、でも本当にありがたかったです。
 なにはともあれ、目が覚めてしまった僕は、日頃は絶対に見ることのない休日の早朝番組を見たり、朝食を食べたりして時間を潰していると、7時過ぎ、携帯がシャンシャン鳴り出しました。相手はジョイトイでした。
「おい、なんだ? いまさらドタキャンなんてやめてくれよ」
「現在進行形でドタキャンしてるのは、そっちだろうが! いつ来るんだよ!?」
……は? なんで俺、逆ギレされてんの?
「はい!?」
「7時に御門台に集合だろ!? もう20分も送れてんだろーがッ!」
 おい待て、集合時間は8時だったはず……。
「8時集合だろ」
「ええ? 7時だろ?」
「お前、昨日の車の中で、俺が、『8時に御門台に集合でいい?』って訊いたら、『それで構わん』って言ったじゃん。俺は確かに覚えてるぞ」
「そうだっけ……それなら別に時間まで待っているけどさ」
 ふて腐れた様子。ったく、自分の思い込みで逆ギレするとは、いい度胸だ。とはいえ、5時半起きだった僕は、とっくに準備ができていたので、待たせるのも可哀相と思い、40分繰り上げて出発することに。まったくゲン様のやさしさは天井知らずやで。
 こうして前日の車内に引き続いての気まずいムードの中、僕とジョイトイは、静鉄にて草薙に移動後、徒歩でJR草薙駅に向かい、三島への片道切符を購入したのでした。
あ、そうそう、電車内では、2人ともほとんど口を聞かなかったそうな。 (つづく)