男レース 三島〜清水60キロ (第6話)

 昨晩、男レース後の新企画を行ったメンバー(僕、ジョイトイ先生、NOVさん、M・Hさん)で、打ち上げの飲み会に行って参りました。
 居酒屋での飲み会のあと、スターバックスで下痢の末期症状に突入している僕が、バニラなんちゃらという生クリームと牛乳たっぷりの飲み物(それも1番デカイサイズ)を頼んでしまい、再び腹がブチ壊れた(相変わらずアホですね)以外は、極めて楽しく平和的に終了しました。
 そして帰りの電車の中、まだ時間が早かったこともあり、僕は提案しました。
ジョイトイ先生、すみませんね。これから車を出してドライブに行けるようにと、わざわざアルコールを控えてもらって」
 もちろん彼は、アルコールが苦手で飲んでいなかっただけなのですが……人は俺のことを人でなしと言います(笑)。
 こうして急遽、ドライブが決定! NOVさんが翌朝早いこともあり、近場の三保に行くことにしました。
 そして彼の運転するスターレットが始動した瞬間、我々は目を疑いました。前向き駐車の車をバックで車道に出すまでに、なんと数分かかったのです。そう、彼はAT限定のペーパードライバーだったのです! そもそも三保とは反対方向に車の頭を向けて出しちゃったしね。
 その後、車内で楽しいトークができるはずもなく……飛び交ったのは、彼の運転に対する怒号に似た指示のみでした。一例を紹介すると、
「(出発時、道路を完全に塞いでいるのに、シートベルトをつけようとオタオタしている彼に)いいから早く車を出せッ!」
「(隣りに並走する車があるにも関わらず、進路変更を試みる彼に)お前、もう死ねッ!」
「(赤信号を見て加速する彼に)赤だッ、赤だッ、赤だッ!」
「(右折しろと言っているのに、走行車線に戻った彼に)右と左もわからねぇのか!」
 っていうか、後半は人としてどうかというレベルでしたね。
 極めつけは、三保の真っ暗な道を走行中、
「ハイビームにしたら?」
 との指示を受けた彼は、なぜかライトを完全オフに! 街灯も何もないようなところだったので、わずか数秒でしたが、本当に景色がブラックアウトしたんです! 車内に響き渡る阿鼻叫喚!地獄絵図とは、まさにこのことでした。
 ホント、彼には今日のネタを提供してもらったお礼と、本編を喰った(小ネタの方がおもしろい)お恨みを申し上げたい。
 そんなこんなで、みなさんには男レースを読んで頂くわけですが、その間に僕は、結婚式に出席し余興をやって来ます! アディオス、アミーゴ達!


 JR東海道線に揺られること1時間、僕らは三島駅に到着しました。
「三島フー!」
 恒例となりましたご当地絶叫を行った(実際にやっているんですよ、これ)ところで、ジョイトイが僕に言いました。
「せっかくだから、駅名が入るようにして写真を撮ろうか」
 今回、僕らは東海道線に沿って走るつもりでしたから、区切りにするにはちょうどいいと思ったので、駅ごとに写真を撮ることが決定。
 さっそく写るんですで、駅名とジョイトイが入るように構図を決めたところで、僕が言います。
「おい、なにかオモシロイことをやってくれ」
「じゃあこれで」
 彼はファイティングポーズをとります。
「で、そこからどうするの?」
「いや、これでどう?」
 良い訳がない! 朝の9時前、僕の怒声が三島駅近隣にこだまします。
「おめぇ、それのどこがどうおもしれぇんだ!」
「他の人の目もあるから、このぐらいで」
「黙れ、痴れ犬! 俺たちは笑いに命をかけねばならない芸人なんだぞ! 人の目を気にしてどうする!?」
「俺は芸人じゃねぇッ!」
「逆立ちして股を開け! 池に落ちてくれてもいい! とにかく何かしろ!」
「これ以上のことはできん!」
「つくづく救えぬガキ……。お前には失望した。この場は、これで治めてやるが、今後すべて被写体は俺が担当する。いいな?」
「好きにしろ」
 大喧嘩の末、僕らは三島駅をあとにしました。
 どちらが正しくて、どちらが間違っているのかは、みなさんそれぞれの心で決めて下さい。ええ、おそらく、ヒールは僕でしょうが(苦笑)。こちとら笑いのためなら、どんな非難だって受けてやるのさ! (つづく)

 なお甲府の旅、井川の旅、男レース旅は、アルバムに綴られておりますので、ご要望があればお見せいたします。あ、でもまぁ、わざわざ見るようなもんじゃないっすよ。