弾丸日帰り列島縦断ツアー 清水〜糸魚川700キロ (第6話)

gen-19812005-12-17

 ラブ定額に家族無料通話サービス。ホント、ボーダフォンは無用のサービスばかり考えてくれるのう! 宣伝見るたびにムカツクんじゃッ! 今度、余計なサービスをこれでもかとばかりにCMで流したら、ブチ解約してくれんぞ! 覚えとけ、オラッ! ……すみません。最初から取り乱しました。
 今日は痛む腰を引きずって(治らねぇんだよ〜)、中学校に柔道を教えに。周りの人は止めてくれたんだけどね、武神(勝手に名乗っただけなので、お気になさらぬよう)が腰痛ぐらいで休めるかッ。
 そして稽古終盤の乱取に突入。おい、小僧。言っとくが、おじさんは強いぜ。
 ……あ、大丈夫ですよ、顧問の先生。一方的に潰したりしませんから。タイミングよく技に入ったときは、投げられてあげればいいんですよね。心得てますって。
 お、いい大外(刈り)じゃないか。どれ、ここで掛かってやるか。
「おし、諦めないで、投げろ、投げきれ」
 フン。まぁざっとこんなもんだろ。
 僕が華麗に後ろ受身を取り、クールに立ち上がったときです。僕を投げた中学生が、思い切りガッツポーズをしながら、周りの連中に向かって絶叫していました。
「俺、先生を投げたよォッ!」
 なんだとぅ、こちとら良いタイミングで技に入れたから投げられてやったんじゃねぇか。それでガッツポーズ? ちゃんちゃらおかしくねぇかい。……キレちゃ駄目だッ! キレちゃ駄目だッ! キレちゃ……プチンッ! 殺ってやるぜぇッ!
 ……お仕置きの時間だ。イッツ、ショータイムッ!
 腰の痛みも忘れて、次々に繰り出されるゲン2段の力任せの奥義の数々。時間終了までひたすら繰り返される残酷ショー。いやぁ、やっちった、やっちった。大人が子供を教えるんならいいんだろうけど、子供が子供を教えてるんだから、始末に終えないやね。ホント、子供相手にムキになってすんませんでした。
 さぁ、続いて旅です。正月までは、こちらで楽しんでもらいますから、しっかりついてきてね。


  糸魚川漁港を発って間もなく。海の幸を謳った店を発見! 速攻で駐車場に車をブチ込みます!
「俺が見てくる!」
 助手席に座っていたジョイトイ(ツードアの為、後ろの2人は出にくいのであって、彼がパシリにつかわれているのではない)が、雨の中へと猛然と飛び出します。食べ物が関わると、突然と動きが良くなるのが、彼の特徴です。
 車を動かして逃げるフリをしようと、僕がホリコに騒ぎ立てているとは露知らず(もちろん却下)、彼は店頭まで走ると、すぐに戻って着ました。あれ? 顔色に生気がないよ。次の瞬間、彼の口から発せられた言葉に、僕らは愕然とします。
「……今日は貸切だと」
 嗚呼! 新潟の民は、わざわざ静岡から来た我らに、日本海の幸を与えることを拒絶するのかッ!
 その店舗の駐車場で、緊急ミーティング勃発。
「やべぇな。どうする?」
「12時を回ったから、そろそろどこかに入りたいところだね」
「でもこの辺りに、他に飯屋は見当たらないぞ」
「駅周辺に行けば、それなりに店があるんじゃないですかね」
「おしッ! 駅に行こう!」
 上の会話分、面倒臭いので、誰がどの言葉を発したのか、分別しませんでした。口調から、誰か推定して下さい。全て正解した人には、何か上げます(えらく適当だな……)。
 こうして僕らは、糸魚川駅を目指す事に。しかし、文字で書くのは簡単ですが、実際に行くのは大変です(笑)。
「なんか三保をグルグルしているみたいだね」
 これは糸魚川市内を彷徨っているときに、僕が発した言葉です。やだ、そんなに睨まないでよ。
 結局、小1時間ほど迷走した挙句、ようやく糸魚川駅に到着しました。午後1時過ぎ、駅前のヒスイ館という観光スポットの駐車場に車を置いて、僕らは近くの日本料理店に入りました。
さぁ、『日本海の幸で舌鼓』にリーチ!
写真は見たまま。糸魚川駅です。 (つづく)