ゲン、拉致される(第2話)

(前回までのあらすじ)
静岡市北部の山を越えると、旧清水市の奥地に繋がっている』との噂を聞きつけた僕は、仲間達と真偽を確かめにいくことに。山頂の神社で、あまりの寒さに僕がジョイトイのコートを奪い取ったところで、後半戦の始まりです。


 神社を越えたところから、下り道に突入。これがまた凄まじい急勾配で、ホリコ曰く、
「(エンジンブレーキを利かせるため)ギアをファーストにしなくちゃいけない道なんて、今まで通ったことがないよ」
 とのこと。
 ホント、少しでも運転を誤れば、直行便ニューヨーク(……そういう通販番組が前にあったのです)どころか、直行便へルするような道でした。間違っても、夜に悪ふざけしていくところじゃないですよ。これは行けという、フリじゃないんで、気をつけるように!
 そんな道に追い討ちをかけるように、『落石注意』の看板が。その直後、道に無数の拳大の岩がゴロゴロと出現。……これ、注意しても、どうにもならないぐらい落石が起こってんじゃないの?嫌な音を立てながら、進むホリコのキューブ。俺のボコボコのマーチであれば、多少の傷ぐらいどうでもいいのだが……スマン。
 凍結した路面。かすかに残る積雪。数々のトラップを乗り越えて進むと、ある地点から舗装された道路になりました。さらにしばらく進むと、見覚えのある風景……。
 こ、これは興津の奥ッ! この瞬間、噂は正しいことが証明されたのです! やったどー!
 その後、なぜか興津の奥にも関わらず、人の大群に出くわしたり、ジョイトイが、
「ククク。俺は落石に備えて、車が潰れても(自分だけは)すぐに脱出できるようにシートベルトをしていなかったのさ」
 と、カミングアウトして、非難の雨嵐を浴びる事件が起こるも、僕らは無事52号線に達し、今回の企画を終えたのです。
 その後、男4人で海でたそがれ、日本平に登り、帰宅と相成りました。


* 今後、僕らに(できる範囲で)真相を解明して欲しい噂等ございましたら、じゃんじゃんコメントにお寄せ下さい! 可能な限り追求します!


 さぁ、続いて本編です!



 キクチの愛車で、僕らはNOVさん宅へと向かいました。
 NOVさんが身支度を整えるまでの間に、僕とキクチは、どこに初詣に行くかを話あいます。
「で、キクチは、どこに行くつもりなの?」
「あさま神社とか」
「どこだ、それ?」
「いや、普通に静岡の」
「あさまって書いて、せんげん(浅間)って読むの! ひっどいな、お前! それに浅間さんじゃ、すぐについちまっておもしろくねぇよ」
「じゃあ、三島大社とかにする?」
「(昔、ジョイトイ三島大社のすぐ近くに住んでいたので)三島大社は、散々行ったんだよなぁ」
「他にどこかある?」
法多山(漢字これでいい?)とか……甲府武田神社とか、どう?」
「じゃあ、甲府で」
 ……え、マジで? 遠いよ、キクチちゃん。
 あとあと判明した、このときの深層心理を、ここで解説いたします。


ゲン〉甲府武田神社とかどう? → まさかイエスと言うとは思ってない。
キクチ〉じゃあ、甲府で。 → 静岡から甲府は、そんなに遠くないと思っていた。


 つまり悲しいすれ違いで、僕達は甲府に行くことになってしまったんですね……。元旦から、2人ともバカだなぁ。
 そうこうしているうちに、NOVさんがやって来ました。
甲府武田神社に向かいます!」
「マジっすか!? まぁ正月だから、どうってことないか」
 全ての疑念を正月のせいにして解決したあなたを、僕はリスペクトします。ジョイトイ(準レギュラー化しておりましたが、残念ながら今作はお休み)がいたら、たぶんマジギレしてるよ、アイツ。カオスを好まない男だから。
 こうして僕らは、ノリだけで正月の3時過ぎから、甲府武田神社を目指すこととなったのです。 (つづく)