ゲン、拉致される(第4話)

 去る2月11日。新企画を実行して参りました!
 やっていることは地味だったやもしれませんが、僕のバカっぷりが合わさったことで、そこそこ楽しい感じになったと思われます。現在、編集の最中ですが、長編になりそうな予感がしますね。初詣の後、公開されると思うので、お楽しみに!
 続いて、本編でございます。僕の思いつきに振り回される哀れなキクチの姿に、みなさん涙(抱腹絶倒でもかまわない)して下さい。


 52号線を快走するキクチの車は、左折して諏訪方面、右折して甲府方面という交差点にやって来ました。その旨が標された標識を見て、僕は悪ノリして、こんなことを言いました。
「キクチちゃん。諏訪にも諏訪大社なんてのがあって、初詣にはいいかもしんない」
「あ、そう。じゃあ、諏訪に行ってみるか」
 僕が驚いているうちに、キクチはさっさと左折し、諏訪方面に向かいます。
ええッ!? 本当に行くの!? 驚いた僕がキクチに叫びます。
「ホントに諏訪まで行くのかよッ!?」
「お前が言い出したんだろうがッ!」
 キレられちゃった。
 僕が冗談で言ったということに、彼が気付いたのは、『諏訪 86キロ』との看板を見たときだったと思います。
「ミギャァァァッッ!」
 って、悲鳴をあげていましたもの。
 とまぁ、またしても正月早々、2人ともバカですなぁ。でも1番の被害者は、僕の悪ノリ+キクチの地理感覚のなさに翻弄された、ノブさんだったと思いますがね。
 そんなノブさんでしたが、被害者ヅラをせずに、精一杯、僕のフォローに回ってくれました(男の中の男だッ)。
「まぁまぁ、キクさん。前に諏訪を通ったとき(新潟の旅のとき)、諏訪には女子大生がたくさんいるのを見たから、甲府よりも諏訪の方が、女は豊富だと思うよ」
「ふぅん……」
 あっ、キクチ、まんざらでもない様子! あとは大学が正月からやってねぇってことに、頼むから気付くんじゃねぇぞ。
 初詣前から神に祈りつつ、僕らは長野までやって来ました。幸い、道端に雪が少し残っているぐらいで、積雪はありません。我らの運の良さ(これがなければ、とうの昔に死んでいる)、思い知ったかッ!
 午後7時頃。ナビのおかげで迷うこともなく、僕らは諏訪大社に到着しました。さぁ、初詣るぞ! (つづく)