ゲン、拉致される(第5話)

 今日は暑かったですね。
 アツイと言えば……温泉気分を味わいたく、近くのスーパー銭湯に行くのですが、温泉に長く浸かっていることができず、5分ほどで出てしまい、敗北感に打ちひしがれて帰宅すること多々!
 誰でもいいので、すぐにのぼせちゃう人が銭湯で元を取ることができる方法、教えて下さいませ! え、我慢しろって話?
 続きまして、もう2月も半ばになったというのにも関わらず、初詣です。



 車を降りて、本堂の方に向かうと、道の脇には無数の屋台が出ていて、神社の規模の大きさを表していました。
「こりゃ意外と期待できるなぁ」
 などと、話しながら歩いていくと、すぐに、それっぽいところがありました。さっそく賽銭をぶち込みます。
「今年こそ、嫁候補と出会いますように! パチンコで爆勝できますように! 若干スベリ気味の年賀状で、何とか笑いが取れますように! ○○が異動しますように!」
 10円で、よくもまぁこれほどってぐらい、祈りました。まぁ、わざわざ静岡からノリだけで長野まで来てやったんだ。これぐらい叶えてやれよ、神様。
 こうして祈りを終え、歩いていると、どこからともなくキャピキャピ(死語ォォォ!)とした若い女子らの声がッ! 顔(生まれつき)、目(ド近眼)、鼻(慢性鼻炎)、味覚(水道水とミネラル水の違いがわからない)と、てんで良いところのない僕ですが、耳と髪の毛だけは、自信があるので、幻聴であるはずがありませんッ! なんせデビルイヤーより地獄耳ですから。
 そんで周囲を目視してみると、いました、いました、巫女の大群が。おそらくはバイトの学生に間違いにゃぁで、こりゃ!
 ジーコジャパンでもおそらく完成していないと思われる究極の意思疎通術、アイコンタクトでNOVさんとキクチに、レッツゴーと呼びかける僕。すると、キクチが急に尻込みを始めました。
 あれほど、メスメス言ってたやつが、何を急に!? 釈然としない僕が、彼を問い詰めます。
「お前、あれほどサカってたのに、急にどうしたんだ? 腹でも痛ぇのか? 駅前の庄や(飲み屋。来る途中に確認済み)に連れ込んで、よろしくやるって息巻いてたじゃねぇか」
「やっぱり俺、恥ずかしいからいいよ」
 かぁぁぁっ、情けねぇ。もうどうなっても知らねぇぞ。結局、頑として動かないキクチを放っておいて、NOVさんと僕で声をかけることに。酔っ払いの恐ろしさをみせてやる。まずはNOVさん。
「あの、僕ら静岡から来たんですけど、記念に1枚、一緒に写真を撮ってもらえませんか?」
「いいですよ」
 さすがNOVさん、あっさり交渉成立。こうして僕らは、写真を撮ってもらうことに成功しました。って、この日、僕はデジカメを持参してなかった(NOVさんの携帯にて撮影)んで、撮れず終いだったんですけどね。トホホ。
 続いて、僕の番。
「バイト大変でしたね。もうこれで終りですか?」
「いえ、これから打ち合わせなんです」
 ああ、じゃあ庄やは無理ね。
「そうですか。どうもあっざーした」
 とまぁ、予想どおりの展開で、僕らの諏訪の陣は幕を閉じたのです。 (つづく)