原付の旅③ 清水〜伊良湖岬380キロ (第2話)

gen-19812006-03-08

 昨日、この伊良湖の旅を書き終えました。意外と長くて、全16話……だったと思います(ウロ覚えかよ)。なんかいつもより笑いが少ない(特に後半)気がしますが、まぁ男のロマンとやらを感じとってやって下さい。
 ではでは第2話です。1話目はおとなしかったけど、今回からバカ満開です。




 決行日当日。僕はケータイのバイブレーションの音で目を覚ましました(前にもあったよね、この目覚め)。眠い目をこすりながら、画面に目をやると、以前、男レースを決行した際にも、応援のメールを下さったM係長からメールでした。
 おそらく先日、職場で話したのを気にかけてメールを下さったのだろうと、感謝しつつメールを開くと、
『天気もいいので、頑張って行って来て下さい』
 とのこと。ありがとうございます。
 メールを閉じると……あれ、もう1通、M係長からメールが来てる……。どうやら1通目は眠りが深くて気付かなかったみたい。これから開く方が、今さっき届いたやつか。どれどれ……
『今、どこを走ってますか?』
 どこって、まだ家だけど……妙に思った僕は、メールの受信時刻を確認します。
 ……ギャァァァァッッッ! もう11時半ダァァァァッッッ!
 今朝は早い(既に昼だけど)と思って、昨晩は11時には寝たのに……まさかまさかの12時間睡眠! やっちまったッ!
 すっかり目の覚めた僕は、自分自身に問い掛けます。本当に今から行くのかと。
 様々な葛藤が、僕の心の中をよぎります。
 明日に回した方が無難。
 でも日曜日にやったら、月曜がヘトヘト。
 ブログには今日決行と書いてしまった。
 職場にも今日行くと吹いてしまった。
 嘘つきにはなりたくない……結論、今から決行!
 それに冷静に考えれば、地図で見る限り(この馬鹿、日本地図を目分量で見ていますよ)、伊良湖は清水から浜松の1、5倍ほどの距離。清水〜浜松までが約100キロだから、伊良湖までは、ここから150キロってところ。原付にて時速50キロでいけば、片道およそ3時間、往復で6時間。……なんだ、焦るこたぁない。十分に晩飯までに帰って来られるじゃねぇか。
 ……もちろん有り得ない話なのですが、このときの僕は、真剣にそう思ったのです。
 M係長に、今から出発します、とのメールを送信すると、僕はゆっくりと身支度を始めました。冬の原付は寒いこと受けあいなので、上半身は、長袖Tシャツ、トックリセーター、レザージャケット、コート。下半身はパンツ、タイツ、ズボンのフル装備です。その他、デジカメやら日本地図の用意をし、段々俺も旅慣れて来たなぁ(のちに幻想と気付くことに)と、ニヤニヤしたところで、12時半。
 久々に登場の愛車であるホンダトゥディ(写真)に跨って、家を出発しました。(つづく)