原付の旅③ 清水〜伊良湖岬380キロ (第7話)

gen-19812006-03-20

 どもども。どうも前回の前節(=小ネタ)のところで、意味深な書き方をしてしまったせいか、勘違いされた方が多いようですが、僕の身に起こったイイ事とは、♀絡みではありません! 僕は相変わらず寂しい毎日を過ごしておりますので、ご安心下さいませ。さらには一旦、いいことが起こったように見せかけて、蓋をあけてみれば、さほど良い感じではないってな感じで……まぁ、ぶっちゃけ、僕のヌカ喜びだったということですな。トホホ……。
 さて、気を取り直して本編へ。
 ガソリンスタンドで麻薬中毒者と間違われても、ワシはカッコイイよ。



 新居町を越え、湖西市に入ったところで、本日2度目の給油を決行。お兄さんにお金を払おうとしたところ、日没による気温の低下+遠州空っ風コンボに蝕まれた僕の手が震えに震えて、満足にお金もつかめない始末。なんとか現金をつかみ、お兄さんに手渡すにも、手がいうことを利きません。
 参ったなァ……。
 と、思っているところに、お釣りを持ってきたお兄さんが、
「どうもッ、ありがとうございましたッ!」
 やけに大きな声で挨拶をしてくれます。
 急にどうしたんだろ? 不思議に思った僕でしたが、すぐに気がつきました。たぶん俺、ヤバイ人だと思われている!
 いや、俺、別に薬ないし酒が切れて、震えちゃってるわけじゃないんで……。とはいえ、黒ヘルメットにサングラス。北斗の拳のジャギみたく見える(byサクライガー兄貴)の僕がプルプル震えてれば、若干、ヤバイ人と思われても無理ないよね。
 本当、お騒がせしました。
 すっかり日が暮れたので、ここでグラサンを外した僕は、再度走り出すわけですが、あまりの寒さに、あっという間に体各所の感覚がなくなってしまいます。気合云々で、どうにもならない水準の寒さであることを思い知った僕は、一旦、コンビニでビバークすることにしました。
 パチンコ雑誌を眺めながら(浜松まで来て……)、今後の対策を考えます。なんとかして暖をとる方法を考えないことには、企画続行不可能。それどころか帰ることもままならないのです……。深刻にやべぇッ!
 手袋の下にもう1つ軍手? 靴下を2枚履きに? ……否、そんな生易しい暖かさでは、伊良湖で散ることは必定! ならば全身タイツ……ドンキでもなけりゃ、売ってねぇっての(ビジュアル的にも、これはないよね)! 万策つきたか……? 途方に暮れたところで、ふと振り向いてみると、そこにあったのは、ホカロン……こッ、これかァッ!
 これぞまさに、神の啓示! さっそくお得パックのホカロン11枚セットと、暖かい甘酒と、なんだか欲しくなったブラックブラックガムを購入し、僕は跳ねるように外に出ました。甘酒を一気飲みしたところで、ホカロンを体中に張りたくります。車の家族連れが、なんだあの気違いは、みたいな目で見てきましたが、意に介することはしません! 靴底に2枚、手袋に2枚、1枚を予備に残して、残りを上半身各所に張りたくります。
 準備が整ったところで、再出発。暖かいには程遠かったのですが、ホカロンの効果は絶大で、寒いには寒いけれど、体の自由が利く=運転は可能なぐらいに体温を保ってくれています。
 これならば行けるッ!
 勝利(?)を確信した僕は、いつの間にか入っていた国道42号線(神がかり的な運の良さで、正しい道に迷い込んでいた)を、さらに西進します。 (つづく)