原付の旅③ 清水〜伊良湖岬380キロ (第8話)

gen-19812006-03-22

 ピンチです!
 ……例によって、結論から書いてしまったので、説明を致しましょう。
 この4月より今まで外に出ていた兄弟が家に戻ることになったのです。めでたい? アハハハ、バカ言ってんじゃないよ(←無礼)。ピンチだって言ってんだろォ。
 で、何がピンチかと言いますと、この3年間、兄弟がいないことをいいことに、僕が2人分の部屋をせいせい使ってしまっていたのです。そして、このたび普通に立ち退きを迫られたわけですねぇ。
 ええ、最初は自分の部屋に置ききれないものを、一旦置かしてもらおうと利用していたのですよ。でも段々と物を置いていくうちに、シャレにならないぐらいになってしまって……。
 あと1週間で片付けをしろなどと、片付けができない子(ひどい水準で)には、それはそれはとてもとても。
 昨日の休日も、1日かけて掃除しても全然片付かんわ!
 誰か、俺を助けろ! 今すぐにだッ! ……ぼちぼち頑張ります。
 さて、続いて本編です。
 デジャブと過去の苦い経験を取り違えても、ワシはカッコイイよ。



 国道42号線をしばらく進むと、とうとう伊良湖と書かれた標識が出現。とうとうここまで来たぞと思いつつ、標識の方向に進むと、『伊良湖 42キロ』とのこと。
 グフッ! ここからまだフルマラソンと同じ距離を走るの……?
 このときのショックといったらなかったですが、飛ばしていけば1時間で着くじゃん、とのポジティブシンキングにより、なんとか立ち直った僕は、すっかり闇に包まれた渥美半島を疾走します。
 やれやれ、ここまで真っ暗じゃ、渥美半島の景色を楽しめないのが残念だ。そんなことを思いながら走っていると、なんだか前にも同じような夜道を走ったような記憶が蘇ってきました。あれ、これってもしかしてデジャブ(予知夢)ってやつ? だとしたら俺、ちょっとした超能力じみた力でもあるんでないかい!? 近々『TVのチカラ』(超能力者が犯罪者や行方不明者を探す僕の好きな番組)とか呼ばれちゃうかもしれん!
 1瞬、そんな幻想を抱きましたが、幻想は幻想でした(笑)。よくよく思い返してみれば、甲府への原付の旅(僕的には名作だと思う)のとき、調子こいて昼過ぎに出て行ったものの、帰りにすっかり真っ暗になって、52号線を泣きながら走った記憶と重なっただけだったわけで……。
超能力どころか、半年前と同じ理由で、同じ過ちを繰り返していただけじゃないか……。グッタリ。
 すっかりしょげ返りつつも、気力で原付を運転。
 渥美半島名物、メロンの直売場が軒並み閉店済み。グッタリ。
 ピンク色の怪しいお店を発見するも、ただのコンビニ。グッタリ。
 とかくグッタリすることの多かった行程でしたが、その点は大声で歌うことでカバーです(意味不明)。
 そして午後7時を回った頃(当初の計画では、家で晩飯を食べている頃)、ついに僕は伊良湖岬へと到着したのでした。
 ああ、今回の写真は、特別に掲載するのがなかったから、御前崎灯台から撮った海の写真なんでよろしく(適当だなァ)。 (つづく)