美食倶楽部幹部会

 今日、仕事で外を回っていたときです。
 もともと空模様が怪しかったのですが、とうとうザン降りになりました。このとき僕は、死(びしょ濡れ)を覚悟したのですが、このとき奇跡が起こりました。
 なんと数メートル先は、どしゃ降りなのに、僕のところは依然として弱い雨が降り続いていたのです。むろん、上に屋根やら何やらがあったわけではありません。
 要するにですね、どしゃ降りと、そうでない場所の境界線に、僕は居たわけですね。いやぁ、メイクミラクルですな。
 でもまぁ、ぽけっと空を見上げているうちに、僕の居たところにも強い雨が降ってきて、ご期待にどおりにけっこう濡れたので、安心して下さい。期待は裏切らねぇよ。
 それでもって、今回からは、次回企画の要綱を連載小説形式で説明したいと思います(ラーメンは、また気が向いたらね)。
 こうすることで、読者の皆様に企画の内容を説明できるばかりか、企画参加者に協議内容を事前にお伝えできるわけであります。一石二鳥ですな♪
 ではどうぞ。
 あ、フィクションとノンフィクションが入り混じるんで、どっちがどっちなのか,自己昇華でお願いしますね!



 4月某日。
 静岡市某所にあるお笑い極道集団・美食倶楽部の本部事務所では、緊急の幹部会が開かれていた。召集されたのは、会長のゲンをはじめ、副会長のキクチ、重役のNOV、これまた重役のジョイトイといったそうそうたる面々である。
 最後に姿を現したゲンが席に着いたところで、彼が会議の口火を切った。
「みな、ご苦労。で、今日は何の緊急幹部会だ?」
 彼の問いかけに応じたのはジョイトイだった。
「何だはないでしょう、会長。心当たりがないとは言わせませんよ」
「心当たり? ……さてなぁ」
 いたずらっぽく笑みを浮かべるゲンに、ジョイトイは追及の手を緩めない。
「やれやれ。あくまでもとぼけなさるか。ならば言うしかないでしょう。我々はお笑い極道集団……にも関わらず、年末の『リアル いつ、どこで、誰が、どうした』以来、何の企画もなし。それどころか、毎週ぐるぐるマップを開いては、美味しいラーメンを食べ歩く始末。今のウチは、名前のとおり、ただの美食倶楽部だ! このままじゃ究極の笑いを目指して入門してきた若い連中に示しがつきません! ここらで何かしらの大きい企画をやらねば!」
「ガハハハハ! ジョイちゃんの言うとおりや!」
 下品な笑い声を上げながら、ジョイトイの発言を肯定したのは副会長キクチ。日頃からゲンと折り合いが悪い彼は、ここぞとばかりにまくし立てる。
「まったくもって、最近の会長は甘くてぬるい。まるでハチミツ、アマアマやぁ。年末の企画にしろ、三ツ矢サイダーが1.5リットル飲みきれん始末。裸の上半身に大量の餌をのっけて、浅草寺の鳩の群に突撃した頃の威勢は、もうどこにもあらへん。その上にオモロイ企画も考えつかんとあっちゃあ……そろそろ潮時ちゃうんですかいのぅ」
「黙らねぇか、キクチ!」
 雷のような怒声が室内に響いた。声を荒げてキクチを制したのは、意外にも穏健派で知られるNOVだった。
「おめぇ、誰に向かって口利いてやがる? 今の美食倶楽部があるのは、創生期にゲンの親っさんが体張って、Zガンダムやらフィンファンネル、やってきたからじゃねぇか。その功忘れて、図に乗るんじゃねぇ」
「じゃかぁしい! 最近の美食の笑い支えてんのは、紛れもなく、このワシや! 『1番オモロイやつが、1番エライ』。それが美食の鉄の掟やろ? 1番笑いとっとるワシが、甘いゆうとんのやから甘いねん。――異論はないでっしゃろ、会長?」
「ああ」
 ゲンが頷く。呆気なくキクチの発言を認められては、弁護に回っていたNOVがおもしろくない。
「親っさん!」
「いいんだ、NOVさん」
 NOVを制したところで、ゲンはキクチを睨みつける。
「ただなぁ、キクチ。俺を本気にさせたら怖いぜ」
                                       (つづく)