素誤露苦 (第18話)

 えー、前回の更新で予告したゲンVSジョイトイのボウリング対決ですが、ジョイトイの緊急出勤のため、延期となりました。
 きっと卑劣なヤツのこと。出勤とは真っ赤な嘘で、いったん延期にしておいて、その間に猛練習して、僕に勝つつもりなのでしょうが、そうはさせませんので、ご安心下さい。正義の味方は負けないのさ!
 そんなわけで、ボウリングはまた実行次第、ここで報告させてもらいますので、よろしくお願いします。
 では本編です。



 キクチチームの処刑の罰に続いて、NOVチームの9巡目です。出た目は4。さぁ、厳しい指示が目白押しの後半、出たのは……『背筋大縄跳び』!
 説明しよう! 背筋大縄跳びとは、うつ伏せの状態で、両手で各足の足首を掴み、背筋の力だけで跳躍し、迫り来る大縄を交わすという過酷な競技である!
 この競技に挑むのは、もちろん、ゴッド・オブ・ソフトクリーム、ハ○ロー・オブ・ジョイトイです!
「いっせーのーで……」
 縄を回す係の僕とダミアン(だっけ?)が、息を合わせて縄を動かします。
 そして次の瞬間、ビシッという乾いた音が会場に響き渡りました。
「直撃!? ギャハッ!」
 間もなくこだまするジョイトイの悲鳴。言うまでもなく、猛スピードの縄(数日前にドンキで購入)が、彼の顔面を捉えたのです。南無〜。
 当然ながら爆笑の一同に向かい、彼が言います。
「あんな死角から来るハイ・スピードの縄を背筋ジャンプで交わすなんざ、誰もできやしねぇよ」
「また言い訳しやがって。あんなもんお茶の子さいさいじゃねぇか」
 もちろん、言ったのは僕です。
しかし、なんと言ったら良いのでしょうか。因果応報とはよく言ったものでございます。続く僕チームの投擲、出た目は6、進んだ先の指示は……『背筋大縄跳び』。
 大見得を切った手前、僕がやるしかありません。
「さっき、お茶の子さいさいとか抜かしてやがったよな? まぁせいぜい楽しませてもらおうか」
「うるせぇ。目ん玉ひん剥いて、よく見てやがれ」
 ジョイトイの嫌味も何のその。僕もうつ伏せになって、両足首を腕で掴み、臨戦態勢です。そして動き出す縄、再び会場に響き渡る乾いた音……。イッタァァァイッ!
 まぁ僕みたいな1流芸人になると、いくら体を動かして交わすことができても、笑いのために顔面で受けるものなんですヨ。……ええ、ホント、でかい口を叩いてすみませんでした。
 こうして僕とジョイトイが、縄跳び葬されたところで、次回に続きます。 (つづく)