素誤露苦 (最終話)

 過去最長編となりました素誤露苦も、いよいよ今回で完結致します。
 なかなか人気のあるシリーズだったので、終わったあとの企画が心配ですが、まぁなるようにしかならねぇや。たぶん短編で行くんで、よろしくお願いします。
 では本編をどうぞ! 山奥に残された3人の運命や如何に!? ……とか何とか言ってみるものの、3人の描写は少なかったりします。なんせ居合わせなかったので。



『馬がびっくりするので、大きな音はたてないで下さい』
 そんな看板が立ち並ぶ中を、馬達にダースベイダーのテーマを聞かせながら、マーチは平沢路を疾走。完全な山道に突入したところで、3人にアイマスクをとってもらい、路上へと放置します。
「おいッ、ホントにここどこだよ!?」
 あまりの自然の豊かさに、3人は気が気でない様子。そんな彼らに、
「じゃあ、また後で」
 と、告げて、僕とNOVさんは、ユーターンして来た道を戻ります。ちなみにこのとき彼らに与えられたのは、キクチが競技中の指示で手にした1・5リットルの三ツ矢サイダーのみ。そんなわけで、最終的に飲まずに捨てたとしてもわからなかったわけですね。これでどうして罰ゲームのときに、結果が書けなかったのか分かって頂けたかと思います(誰も覚えちゃいないか……)。それでもキクチは、きっと全部飲みきってくれたと僕は信じています。ああ、麗しきかな、友情。
 帰路、NOVさんが呟きます。
「あの3人、ホントに大丈夫ですかね? 奇跡的に山道へと向かって歩き出していたら、おそらく遭難っぽくなると思いますけど」
「そうですよねぇ。でも余程の馬鹿でなけりゃ、山道とは逆方向に向かって歩けば街に出ることぐらい察しがつくでしょうから、大丈夫だと思いますがね」
「ですよね」
 そんな会話をしているうちに、草薙駅に到着した僕らは、ジョイトイ先生と無双祭さんと合流。夕方より打ち上げを予定していたので、それまでどう時間を潰すか話し合った結果、無双祭さんの希望により、スーパー銭湯草薙の湯に行くことに。
 その途端、ジョイトイが、
「俺は銭湯いいや。一旦家に帰るよ。また飲み会のときに」
 と言って、パーティーを離脱。そういえばジョイトイは、いつも頑なに銭湯を拒否します。そのことを話題にした結果、きっと彼の家は古くから伝わるその筋の家系で、体には見事な昇り龍の彫り物があるのでは? との結論に達しました。だとしたら、ジョイトイ先生、なにとぞ今までの無礼をお赦し下さいませ! 全て私がわるぅございました!
 その後、(スーパー銭湯とはいえ)温泉に浸かりながら、
「いやぁ、キクチら、今頃必死こいて歩いてるんでしょうなー」
「ですなー」
 などと、苦しんでいる強敵(とも)達を話の肴に、極楽気分を味わってみました。いつもより1・2倍、湯が気持ちよく感じられましたねー(性格、悪ッ)。
 その後、NOVさんがキクチを気遣って、
『もしかして、キレてんですか?』
 と、メールを放つも返事が来ないで、まさかのマジギレを考えなくもなかったのですが、打ち上げのときに、話を聞くと、
「ああ、俺はキレてないけれど、電波がキレてたんだよ」
 とのこと。普通なら、小力のマネで返答するのが筋ですが、ヤツもまだまだ青いですわ。ちなみに罰ゲーム執行中、3人はほとんど口を利かなかったそうです(苦笑)。あ、そうそう。現地からは1時間強で帰れたみたい。
 とまぁ、オチは弱いのですが、以上で素誤露苦終了です。
企画、準備、競技、罰ゲームと、ほとんど僕の裁量で自由にやらせてもらったわけですが、なんで俺がこんなことやらされてんだとの疑問を持つことなく(もしかしてもった?)、何の得にもならない勝負に、命がけで挑んで頂いた参加者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
別れ際にトシさんが言い放った、
「素誤露苦が全40マスじゃ、やっぱボリューム不足だな。せめて200マスくらいないと……」
 この一言が、僕の中で冗談ではないと昇華できたときに、またやりましょう! (素誤露苦 完)



素誤露苦 スタッフ


出演:ゲン
   NOV(敢闘賞)
   ジョイトイ(最優秀選手賞)
   ダミアン(殊勲賞)
   トシ(技能賞)
   ホリコ
   無双祭(新人賞)
   キクチ(なめてるやつで賞)
文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
オープニングテーマ:キクチ『君が代
エンディングテーマ:ジョイトイもののけ姫
準備:ゲン
   ジョイトイ
企画:ゲン
製作総指揮:ゲン