大人のチカラ (第4話)

 先日、新企画の序章となる企画を行って来ました。
 おかげさまで、気分はこの梅雨空のごとく、淀みきっております。
 企画の公開は、諸事情により冬となりますので、みなさま首を長くしてお待ち下さいませ。
 では今日は大人のチカラの第4話をどうぞ。ジョイトイが咲き乱れます。



「ほぅ、ロックマン2か」
 やってくるなり、ジョイトイは、やる気満々の様子です。
「で、これまでの戦績は?」
「まぁ、2、3体のボスを倒しちゃ、ゲームオーバーになるって感じだな」
「ふぅん……」
 そう言って、彼は僕らのプレイを見守りました。そして迎えたゲームオーバー&リスタート。正式にジョイトイがローテーションに組み込まれた(ホリコと僕の間に)ところで、とうとう彼は動き出しました。
 NOVさんが、コントローラーを握りながら、
「さて、今度はどのボスから行ってみましょうか?」
 と、僕らに問いかけたときです。いち早く応じた男がいました。無論、ジョイトイであることは言うまでもありません。
「最初はメタルブレードを取りに行くのが定石でしょう。あの武器は万能で、ザコキャラを退治するのに使い勝手もいいし、弱点としているボスも多い。あの武器を手にすることで、一気に幅も広がる。他には考えられない」
 ゲッ! 詳しい! ちゅーか詳しいを遥かに超越したレベルに彼が達していることは、明らかでした。ロックマンが使用できる武器の正式な名称まで、覚えとりゃせんだろ、フツー! あんた、やばいよ(苦笑)。
 ジョイトイが加わったことで、『大人になったところで、昔の難解なゲームに試行錯誤しながら挑戦しよう』といった当初の計画は、どこ吹く風。完全に主導権が、ロックマン2から僕らの方というかジョイトイの元へとやって来ました。
 なにせジョイトイの指示どおりにプレイすれば、どのステージのどのボスも、赤子の手を捻るより簡単に倒せてしまうのですから、苦労もへったくれもあったもんじゃありません。最終的には、ジョイトイの要求に応えられなくなった、僕、NOV、ホリコがコントローラーを放棄し、ジョイトイが1人でラストボスを倒す形で、午後4時過ぎ、見事、僕らはロックマン2に打ち勝ったのです。って、これでいいのかい!? いいんですッ!
「終わったね。じゃあ、僕はこの辺で」
 夕方から用があるそうで、一仕事終えたホリコが早々に帰宅したところで、残された僕達は、解散するには、あまりにも早いとのことで、なんだか僕の持っているファミコンを吟味することに……。妙な雰囲気。
 これが間違いのもとだったのは、賢明な読者の方々は、お気づきですよね?
 詳細は次回! あ、次回で最終回でーす。 (つづく)