さよならマーチの旅 (第6話)

gen-19812006-08-11

美食倶楽部会員名簿⑥ トシ


 美食倶楽部会員。とにかくボケの一手が信条。飄々とした性格で神出鬼没と、とにかく読めない性格である。ギャンブルに無類の強さを誇り、美食倶楽部でたまに行われる賭博(健全)では、いつも優勝をかっさらっていく。素誤露苦では、車で完全に路上に乗り上げる登場パフォーマンスで、会員達の度肝を抜いた。
出演作:素誤露苦



 (銀河鉄道999のオープニングテーマの感じで)
♪マーチは 袋井越えて 西の方へ
 ちゅーわけで(?)、順調にバイパスを西へと進みます。いよいよ浜松に入ったところで、そろそろ腹が減ったので朝食を、ということになり、国道を折れて市街へと進みます。ジョイトイ先生のお導きにより、早朝6時、僕らは『松や』で朝食を取ることに。
 それにしても、早朝の牛丼屋の客層って、けっこう極まっている感がありますよね。とても楽しく談笑できる雰囲気ではなく、さっさと食って出て行け的な(笑)。あんなところでバイトしたら、ホント、俺だったら裸足で逃げ出しちゃうよ。このとき店員さんは、お姉さんとおばさんのちょうど中間みたいな人だったのですが、尊敬するぜ。
 腹も膨れたところで、僕らはマーチで再出発。しかし、飯が食いたい一心で、大通りを遠ざかってしまった我々は、進む方向が明確でなくなってしまいました。
「こうなったら、俺の直感に任せてもらいましょうか。俺は原付で遠出しても、なんじゃかんじゃで、家まで帰る絶対方向感覚をもってますんで!」
 僕が自信満々にのたまわり、しばらく進んだところで、浜松の大学を卒業している無双祭さんが、あることに気づきました。
「ゲン君、今、館山寺の方に向かっちゃってるよ!」
「え……?」
 わかりやすく言えば、西に向かわにゃならんのに、北に向かって走ってしまっていたということです。南無〜。
「とにかくUターンして、しばらく進んだところを右折すれば、問題ないよ」
 無双祭さんの指示に従い、言われたとおりに進むと、そこには浜名バイパスが出現。事なきを得たのでした。いや、持つべきものは、地理のできる友達ですね。おそらくこれがジョイトイだったら、間違いなく長野とかまで、直行便でしたからね。
 今回の旅に総じて言えることなのですが、ホリコ、無双祭さん、クロさん、揃って頭のキレる面々だったので、本当に安心して運転してられましたよ。強いて苦言を呈するなら、遭難して笑いに結びつかないことだな(苦笑)。
 海岸線の綺麗な風景を見る予定が、濃霧に包まれ、ほぼ何も見えない状態の天気にぶつくさ言いながら、マーチは快調に西へと進路をとりました。 (つづく)