さよならマーチの旅 (第10話)

gen-19812006-08-21

美食倶楽部でないお友達③ 無双祭


 元はゲオルグ氏の友人だったが、彼を通じてゲンと知り合い、近年では美食倶楽部の企画に参戦するようになる。ゲン以外の面々とは素誤露苦が初顔合わせだった。しかし、そんなアウェイな環境にも関わらず、一切物怖じせず、精一杯笑いを取りにいく姿勢に、会員全員に強烈な印象を与えた。また琵琶湖1周に不眠で挑んだ豪の者。
出演作:素誤露苦、さよならマーチ



 あれ、朝も牛丼を食ったのに昼も牛(近江牛)なの?
 そんな疑念を一切いだくことなく、僕がおもむろに発した、
近江牛
 の一言から、以後、空腹感が漂う車内には、近江牛という言葉しか聞こえなくなりました(笑)。ホント、あらての宗教のように、
「おうみぎゅう、オウミギュウ、oumigyu……」
 念仏かって。
 最近、なんだかもめている岐阜県庁(社会風刺ブログではないので、敢えてなんじゃかんじゃ書きません)を越え、長良川やら揖斐川を越え、午後1時、我々は、とうとうこの日の目的地である滋賀県へ。
 関が原古戦場とか石田三成のなんちゃらありましたが、腹が減ったので無視! 広大な田園風景を突き抜け、我々は琵琶湖の湖岸にある街である長浜市へとやって来ました。
「よし、ここからはゆっくり走るから、近江牛の店があったら、すぐに言うのだぞ」
 午後1時を過ぎたこともあり、昼食に近江牛を食うには、これがラストチャンスの時間帯。僕の的確(?)な指示が飛びます。
 4人そろって、血眼になって近江牛を食べれそうなお店を探すと、なんだ、すぐに見つかるもんじゃないか。
 勢い勇んで店の駐車場に入ると……あれ、昼時にも関わらず、他に車が停まっていないじゃないですか。店は開いている様子だけど……? 僕が解せずにいると、クロさんから声が上がりました。
「これって、近江牛を売る店には違いないけど、生肉を売る店であって、料理は出さないんじゃないの……」
 ♪チャンチャランチャンチャランチャチャンチャンチャン、チャンチャランチャンチャランチャチャンチャンチャン、近江牛のお店を見つけたと思ったら〜、生肉のお店でした〜、チックショーーッッ(小梅太夫って凄い行を稼げるじゃん)!
 天国から地獄とは、まさにこのこと。まぁ言ってみれば、北斗で当たったと思ったら、いきなり豪掌波を喰らわされたような。意味が分からない人は、休日、俺に黙って付いて来い。
 そんなわけで、急速にテンションが下がった中、街道を走って行くと、長浜駅を発見。駅の周りには、いささか何かしら近江牛の店はあるだろうと、とりあえず車をおける場所を探して、ウロウロしているうちに、今度は湖岸にそびえ立つ長浜城を発見。『無料駐車場』なる看板を見かけたので、そちらの方に向かって行きました。いやはや、無料最高!
 車を停車させた僕らは、約4時間ぶりに外の空気を吸いました。 (つづく)