さよならマーチの旅 (第13話)

gen-19812006-08-28

 先日、街のゴロツキに絡まれているオッサンを助けるため、獅子奮迅の闘いを強いられました。なんとか勝利したものの、その代償に腰に重傷を負いました。正義のためには、致し方ない負傷とはいえ、苦痛に顔も歪みます……って、嘘じゃ。本当は、柔道の寝技の練習中に、余裕ぶっこいて猪木アリ状態(わからない人は調べてみよう!)の猪木みたいな格好をしてたら、グキッと……。寄る年波には勝てませんナ。
 まだ引退はしたくないんで、リハビリたいと思います。おい、来年の24時間テレビ、黙って、俺を取材しろ! 腰を痛めた挙句に、その晩、無理に街に出て酒を飲んで、余計に悪くした状態からの、奇跡の復活ちゅータイトルやッ! ええかぁ?
 さて、こんなバカは放っておいて、さよならマーチです!




 天守閣まで登ると、長浜の街と琵琶湖を一望できるステキな風景(画像)が。展示会が僕らの中では酷評せざるを得ないものだったのですが、まぁ拝観料をこれでとんとんかなと。景色を十分に堪能したところで、僕らは長浜城をあとにしました。
 時刻は既に2時半。まだ琵琶湖1周のスタート地点に立ったばかりなので、先を急ごうと車に戻ると、ホリコから提案がなされました。
「さっき長浜の街の観光スポットを紹介したパンフレットを見てみたら、ガラス工房やら、饅頭屋が載っていたんだけど、今から少し行ってみない? 急ぐところ恐縮なんだけど、せっかく来たからにはね」
 その一期一会の精神、わからぬわけでもなかったので、僕らは再び琵琶湖駅の方へ。しかし、ホリコの案内で車を進めるも、それらしい店屋はありません。
「あれ、おかしいな? ここに道があるはずなんだけど……」
「もう少しグルグルしてみるけど、時間も押しているから、あんまり見つからないようなら、先に進むから、それだけは覚悟してくりょーよ」
 そんな感じで、リトライするものの、やはり店は見つかりません。よくよく周囲を見てみると、この日は商店街の各所が歩行者天国になっている様子。
「もしかしたら、これって、七夕のお祭りなんじゃないの?」
 そのことに気づいたのは、クロさん。確かに車を止めようと、地図で駐車場になっているところに行ってみたものの、この日は使えぬところだらけ。清水の七夕をかんがみるに、クロさんの推測は的を得ているように思いました。言われてみれば、人も多いし、出店もあるし(早く気づけよ)。
 先ほどの長浜城の駐車場から歩けば、いけないこともないのですが、炎天下の中、けっこうな距離を歩く気には、到底なりえませんでした。
「すまぬ、ホリコ」
「なんだい?」
講道館柔道奥義、北斗有情猛翔波ッ(注:実在しません)!」
「グブアハッ! お師さん、もう一度ぬくもりを……」
 ホリコに当て身を食らわせて眠らせた……というのは、もちろん冗談ですが、彼に今日はとても街中には車で近寄れない旨を納得してもらった上で、午後3時過ぎ、いよいよ僕らの琵琶湖1周がスタートされたのです。
 って、3時スタートかよ。 (つづく)