さよならマーチの旅 (第14話)

gen-19812006-08-30

 いやはや、ごっつ腰が痛いままです。くしゃみをしても、屁をこいても痛いです。本格的に上半身を絞らないと、こりゃちっとまずそうですわい(苦笑)。
 さて、順調(?)にダラダラと続いている本編ですが、今日から一変して、急展開となります。最終回に向けて、ものすごい尻上がりになると思いますので、ご期待下さい。オチは、はっきり言って凄いよ。今回は。ここまでが弱かった分、一気に取り戻せると思います。
 では本編、行ってみましょう! 引き返したって、いいじゃないかッ!



 3時に長浜を出発した我々は、いよいよ反時計回りに琵琶湖周遊を開始(写真)。さぞかし琵琶湖の風景が綺麗だと思いきや、湖岸からちょっと離れている道のため、そんなことは決してなかったです。ものすっごい本末転倒ぶりやないかい!
 30分ほど、琵琶湖の見えない道路を走ったところで、道の駅が登場。先も長い……ちゅーことで、一息入れるために寄ることに。ホリコと無双祭さんが、施設内に消えていったところで、クロさんが僕に声をかけてきました。
「ゲンちゃん、ちょっといい?」
 なんだ、この中学時代にやんちゃが過ぎて職員室へ呼ばれる感覚は!?
 僕は恐る恐るクロさんについて行きました。
 ベンチに双方が腰掛けたところで、クロさんがゆっくりと口を開きました。
「ゲンちゃん、本当に今から琵琶湖を1周する気なの?」
 ええ、なんとなく、その話だとは思っていました。
 僕個人としても、甘えた考えを披露すれば、朝の4時から運転し続けた挙句、今から琵琶湖を1周して、再び静岡に帰る地獄のフルコースに挑むのは、はっきり言ってちょっとどうかと思います。
 しかし! 体張りMAXと謳った以上、やりきってなんぼのブログ企画! 原付甲府、原付井川、男レース、原付伊良湖、どんな企画もやり切って来たのです。……完遂せずの退却など考えられぬ!
 まさか琵琶湖畔で究極の選択に迫られるとは!
「ウーン……」
 僕は、うなり声しか上げることができません。クロさんの必死の説得が続きます。
「俺、実は学生の頃、この対岸に当たる場所を車で走ったことがあるんだけど、田んぼばっかりだったよ。そんな何もない(滋賀県の皆様、すみません)ところを走っても、辛いだけだと思うんだ。それでもゲンちゃんが行くと言うのであれば、俺は地獄の果てまでお供するけど」
 このとき、僕は気づいたんです。心優しきクロさんは、ギブアップしたくて堪らないものの、言いだしっぺだけに、物理的に不可能でもやっぱり帰ると言い出せない、僕の本心の代わって言ってくれているのだと(ええ人じゃ)。加えて、彼の言うように、夜中じゃ風景の楽しみようもなく、ただ漆黒の闇を突き進むばかり。となれば、滋賀に拘る必要もありません。
 僕の頭の中で、琵琶湖を1周したときの帰宅時間を計算してみます。……僕の勘ピューターによれば、家に着くのは翌日の午前8時。さすがに、その時間まで運転する気力がありません。
 美食倶楽部会長の決断は、これ! ギバッープッ!
「無念ですが……ここは退きましょう」
 無念の企画断念! (つづく)