★祝1周年★ 総集編スペシャル(その4)

 先日、とても面白い事件があったので、今日は総集編をお休みして、久しぶりに小ネタをお送りしたいと思います。
 今週の月曜日、僕は、かの現人(あらびと)神ハルロー・オブ・ジョイトイと、ゆえあって、興津川上流付近へと向かっておりました。いつもは僕が車を出すことが多いのですが、この日は、やんごとなき事情により運転ができなかったので、僕はジョイトイに車を出してもらっておりました。
 用を済ませた帰り道のこと。
 超絶(エクストリーム)方向音痴のジョイトイが、巧みにハンドルを切って左折しました。僕の記憶では、そこは帰り道の順路とは、別のところ。しかし、あまりにも彼が自信満々の表情だったので、僕は自身の記憶違いと思い込み、手放しでジョイトイを褒め称えました。
「おめぇ、よくここが帰り道だってわかったじゃん! 俺だったら、たぶん間違えてたぜ!」
 すると、彼は得意気に微笑みながら、僕に嫌味を言いました。
「だって前にここを通ったときに、今のところを曲がらないで直進して、道を間違えてさ。ゲンさんにすげぇ怒られたじゃないか。俺だって、同じ轍を踏むほど、バカじゃないよ」
 ったく、覚えてなくていいことまで、覚えてやがる。
 そんなことを助手席で思っているうちに、僕はふと面前に広がる景色に疑問を持ちました。舗装されたアスファルトの道路が消え、細いあぜ道になっているのです。
 ええ、このとき、僕は確信しました。
 先程の左折時に感じた違和感は、僕の記憶違いではなかったと。そう、ジョイトイの暴走だったのです! 貴様は同じ轍を踏んだ大バカ者だッ!
 もちろん、僕は即ギレです。
「全然違う道じゃねぇかッ! てめぇ、調子こいてんじゃねぇよ!」
 彼は、
「そうブツブツ言うなよ。バックで戻れば、他愛もないことじゃないか」
 そう言っていましたが、相当動揺していたのでしょう。
 車を方向転換させた彼は、なんと……普通に右車線を走り始めたのです!
「ギャァァァッッッ! 右を走るんじゃねぇよッ!」
 あまりの恐怖に、僕は思わず叫んでおりました。すると彼は、車を左車線に戻しながら、平然とこう応えました。
「向きを変えたがために、しばらく右車線を走らざるを得なかったんだよ」
 ……って、普通に20メートルくらい右車線を直進したあとで、それはありえねぇ!
 こうして僕は、顔面蒼白のまま、帰路に着いたのでした。
 あまりの恐怖に素で、
「右を走るんじゃない」
 と、突っ込んでしまい、
「欧米かッ!」
 の一言が、咄嗟に出なかった自身の突っ込みの腕に、嫌悪感を覚えながら……。


 次回からは、また総集編をお送り致します!