キクチ・クエスト (第6話)

 紆余曲折を得ましたが、本日より、いよいよ本編です。見え透いた時間稼ぎに、うんざりしていた皆さん、どうもすみませんでした。
 見所ですか? ……うーん、ここで特筆すべき、ここ1番は、正直ないんですけどね。ジョイトイ、キクチの奇行に注目してもらえれば、楽しく読み進んでもらえると思います。ではでは、どうぞ。



 11月3日、午後4時。
 僕はジョイトイからの連絡を受けて、家を出ました。
 彼に迎えに来てもらったのです。それというのは、レンタカーを借りに行くに際して、店まで送ってもらうため。
 全米を震撼させたジョイトイの運転する車の助手席に乗ること数十分。市内某トヨタレンタリースに到着したところで、僕は店に入って言いました。
「おい、車貸してくれよ」
 男4人を乗せて、高速道路をそれなりに走れるやつ。そんな注文をしたところで、店員が紹介してくれたのは、カローラ
 特にこだわりはなかったので、
「じゃあ、それで」
 と、早々に契約しました。
 契約が成立したところで、今晩、レンタカーを置かしてもらえることになっているクロさん宅へ。僕の家には、車を置くスペースがない(涙)ので、彼の家に置かしてもらうことになっていたのです。
 出発したところで、近くの本屋で待機しているジョイトイに連絡をとり、クロさん宅へ追いかけてもらうように頼んだところで、僕はカローラに乗って、クロさん宅へ。さすが天下のトヨタ車だけに、カローラは、とても乗りやすかったです。楽しんで運転をしている間に、あっという間にクロさん宅に到着しました。
 クロさんを呼び出して、車を停めさせてもらったところで、彼が僕に言いました。
「実は今日さ、急に会社の送別会になっちゃったんだよ。急に転勤することになった人がいるんだけど、誰も行きたがらなくてさ。で結局、明日、休みの人が行けって話になってね」
「休みとはいえ、起きるのは、会社行く日より早いのにね」
 と、そんなことを言いながらも、僕とジョイトイは、その晩、食事会に行くことになっておりました。
「実は俺もジョイトイと、この後、出かけるんですよ」
「なんだ、ゲンちゃんもか」
 そうこう言っているうちに、ジョイトイが現れたので、
「お互い飲み過ぎないように注意しましょうや」
 と言って、クロさんと僕は別れました。
 こうして旅行参加者4人のうち3人が、前日に深夜まで街にいるといった、非常事態(?)が発生したのです。余談ですが、NOVさんが、街に出ていたとすると、旅行参加者は前日全員が街にいたことになります。ひどいな、こりゃ。
 ちなみにこの晩、僕が就寝したのは、午前1時でした。 (つづく)