キクチ・クエスト (第7話)

 毎晩、妹(どこのお嬢様だ?)を職場まで迎えに行く母親に、
「おい、(静岡の)街まで車で乗せていってくれよ」
 と、頼んだら、
「ふざけるな、電車で行け」
 と、言われました。
 ……。
 さぁ、キクチ・クエストをどうぞ!



 11月4日、早朝。
 5分刻みで鳴る目覚まし時計と格闘すること数回。僕は何とか目を覚ましました。
 そして時計に目をやると……なんと、午前4時45分!
 5時ちょうどから、クロさんが車にて、参加者の回収を始めることになっています。彼の家から1番近いのは僕の家……ギャァァッッッ! あと15分で、クロさんが来てしまう!
 僕は急いで正装(ジャージ)して、身支度を整えます。そして準備を終えると同時に、クロさんから着信が入りました。ギリギリセーフじゃ。
 こうして、僕はクロさんが運転して来てくれたカローラに乗り込みました。とりあえず、そのままクロさんに運転してもらうことにして、NOVさん、ジョイトイの順で回収しました。
 全員集合したところで、恒例となりました参加者の前日の睡眠時間を訊いてみます。結果、僕、NOVさん、クロさんが3時間、ジョイトイが1時間とのことでした。
「あまり眠れなくてさ」
 カッコ良さ気に言う彼に、僕が切れます。
「てめぇ、運転しなくていいからって調子こいてんじゃねぇぞッ!」
 ええ、おそらく他の2人が同じ事を言っても、僕に何か言われることはないでしょう。しかし、ジョイトイは何を言っても、僕に苛烈な突っ込みをされるのです。それが美食倶楽部、非常の掟! 哀れ、ジョイトイ
 そんな中、僕らを乗せたカローラは、車を借りたレンタカー店を目指します。翌日、車を返しに行く係であるNOVさんに、店の位置を教えるためです。確認を終えたところで、いよいよ僕らは、高速のインターを目指しました。群馬観光と、キクチとの再会に重きをおくため、往路で高速を使うことにしたのです。
 5時半過ぎ、清水インターから高速に突入。早朝だけに空いていて、順調に距離を稼げそうです。
「あまりに順調じゃブログに書くことがねぇから、おめぇ、100キロで走る車から飛び降りてみろよ」
 ジョイトイに無茶ブリをしなくちゃ、間が持たないぐらい、本当に順調に進みました。
 そして、7時前。お腹が減ったこともあって、休憩をかねて、僕らは海老名サービスエリアに寄りました。
 次回、笑いの神、降臨であります。 (つづく)