キクチ・クエスト (第17話)

gen-19812006-12-06

 焼きまんじゅうを食らい、車に戻ったところで、キクチから重大発表!
「えー、以上で俺が考え付くところは、回りきった感じす」
 時刻は11時台。昼飯を食うには早い時間にも関わらず、ヤツのプランは終了を迎えたというのです。しかも、これといった面白スポットを案内することもないまま……。
 そんなことが許されるはずもありません。
「ふざけんな! おめぇが案内したところと言やぁ、じいさんとばあさんがゲートボールやってる城跡と、シャッターが閉まりきってるブラジル人通りと、本当に何も見せ場がねぇ駅前と、今のトースト似のまんじゅうだけじゃねぇか! まともなの(失礼)なんて、1つもねぇじゃねぇかよッ!」
「そんなこと言われても、これが群馬なんすよぉ」
 群馬の方々に、大変失礼な暴言を吐いた次の瞬間、彼は何やら思い出したようです。
「あっ、そうだ! この近くに、俺の会社の人達が、車で走りに行く山があるんすけど、今からそこを攻めてみるってのは、どうですか?」
 拒否したところで、他に行くところもありません。
「じゃあ、そこにしよう。何とか昼飯までの時間が潰せりゃいい」
 僕は彼の案を採用しました。
「あざっす! ぶっこんで行きますんで!」
 こうしてキクチは、山に向かって走り出しました。ええ、1度はぶっこみすぎて、山を越えてしまったりもしたのですが、この際、それは些細なことです。
 山頂付近に駐車スペースがあったので停車してみると、その先には、展望台がある様子。他にすることがない僕達は、そこを目指すことにしました。
画像は場所に到着した時点の私です。次回への布石になりますから、心に留めておいて下さい。 (つづく)