キクチ・クエスト (第21話)

gen-19812006-12-15

 誰か、俺とボウリングに行けッ! 今、すぐにだッ!
 ……冗談です。とはいえ、誰か行ってくれる人がいたら、携帯に連絡下さい。ホンマ、ぶっ潰したるぞ。
 よくわからないテンションのあとは、キクチでお楽しみ下さい。



 なぜ群馬まで来てラーメン?
 もはや当初の疑問は、すっかり忘れ去られ、僕らは、再びキクチの勧めるラーメン店に向かって移動します。
「あのチェーン店のラーメンでもいいけどな」
「むしろ普通にコンビニの弁当でもいい」
 お預けの連続。あまりの空腹にぐったりしたメンバー達からは、旅先でとる昼食に対する発言とは思えぬものが、次々に発せられます。時刻は既に1時を回りました。
「おい、キクチ! 次の店もやってなかったら、承知しねぇからなッ!」
「それは俺の責任じゃないっすよー」
 こうして、次なる店にやって来た僕ら。今度の店は営業していたのですが、なんと店の外まで客が並んで待っている始末。駐車場も空いてはいません。
「並んで食うか?」
「いや、とてもそんな気には……」
 僕の問いかけに、メンバー全員拒否反応。はたして次の店に向かうことに。
 もはや車内は、赤壁の戦いに敗れ、敗走する曹操軍よりも悪い雰囲気に。
「こうなったら、あそこの横浜ラーメンしかねぇッ!」
 キクチが4番目に発案したのは、またも横浜ラーメン。
「とにかく営業してて、店に入れれば、どこでもいいよ」
 僕も疲れ切っていたので、素のコメントです(苦笑)。
 冷静に考えれば、キクチが特別に美味い店に案内すると言うから、群馬に来てまで昼食にラーメンを食うことになったわけなので、変な話なのですが……何か食えればいい! 本末転倒もいいところです。
 こうして次の店に到着。時刻が1時半を回っていたため、すんなりと席に座ることができました。
 そしてみんなで、同じ横浜ラーメンを食べようと、食券を買ったつもりだったのですが、僕だけ普通の醤油ラーメンが来ました。ええ、普通に券売機のボタンを押し間違えたんですとも(バカ)。
 こうして僕だけ群馬まで来て、普通の醤油ラーメンを啜ったところで、無事に昼食が終了しました。時刻は既に2時過ぎ。旅先でラーメンを食うために、約2時間走り回っていたと思うと、バカらしいにも程がありますが、このときの僕らは、満腹感がもたらす幸福感ゆえ、そんなことにも気づきませんでした。
 腹も膨れたところで、観光再開!
 画像は足利尊氏に乗っかって造られた城跡です。 (つづく)