キクチ・クエスト (第22話)

gen-19812006-12-18

 どーも、今年のクリスマス・イヴもジョイトイと過ごすことになった者です。いやぁ、2年連続ですわ。死んでやるぞ、おい!
 すみません、取り乱しました。僕の不幸なクリスマスは放っておいて、みなさんはキクチ・クエストでお楽しみ下さい。



 人間、本能には正直なもので、お腹が満たされた途端、空腹から来る車内の険悪な雰囲気が、消し飛びました。その様子が、あまりに露骨だったので、すっかり標的になっていたキクチからは、
「いやー、改めて食事の重要さが、よくわかったよ」
 との言葉が発せられました。
 うんうん、そのことを思い出して欲しくて、俺や、NOVさんは、敢えて君に罵詈雑言を浴びせていたのだよ(笑)。
 それはさておき、現在の時刻(2時過ぎ)を考えると、我々が見学できる場所も、残り1〜2箇所が限度。この群馬の旅を素晴らしい思い出にするためには、キクチのプラン(最悪)が尽きた、ここからが勝負ッ! はてさて、どこに行ったものかねぇ?
 考えてみるものの、キクチにプランを任せたため、いつも旅に持参する観光スポットが掲載された地図を持って来なかった僕には、見当もつきません。
 そのうちにキクチが、ある提案をしてきました。
「今、思いついたんだけどさ。ここから少し北に行ったところに、スネークパークってのがあるんだけど、そこに行ってみないか?」
「凄いのか、そこ?」
 確認する僕に、キクチが自信あり気に応えます。
「俺も聞いた話だけど、日本で唯一、血清を作っているらしい。日本で唯一のことをしているくらいだから、凄いんじゃないか」
「なるほどねぇ」
 不思議なもので、これまで散々ひどい目に遭わされたのに、このときのキクチには、妙な説得力がありました。後になってみれば、満腹になって、心が寛大になっていただけだったと思うのですが、このときの僕は、どういうわけか、もう1度だけ、彼を信じてみる気になったのです。
「それじゃあ他に行くあてもないし、そこに行ってみっか。――みんなも、スネークパークでいいかい?」
 他のメンバーも、特にあてがあるわけではないので、反対意見は出ませんでした。
「じゃあ、スネークパークにするか。キクチ、行ってくれ」
「おいっす」
 こうして僕達は、キクチの推奨するスネークパークへと向かいました。しかし、このとき僕らは予想もしなかったのです。群馬の片田舎で、筆舌に耐えない惨劇が巻き起ころうとは……。
 あっ、あと爬虫類が苦手な方は、次回から1週間ぐらいは見ないで下さい(笑)! 今日の画像みたいのバッカやぞ! (つづく)