キクチ・クエスト (第24話)

gen-19812006-12-22

 今回は読む前に読者の皆様にお詫びがございます。
 前々回から登場している『ヘビのアミューズメント・パーク』のことを、当ブログでは、『スネークパーク』、『スネークランド』、『ヘビセンター』と、かわるがわる呼称を変えましたが、どれも同じ場所を指しています。
 おそらく『ヘビセンター』が正式名称と思われますが、どれが正解なのかは、今となっては調べる術がないので、それっぽい呼称であれば、全て同じ場所と判断願います。いやぁ、もうホント、書いているヤツの腕が疑われますね。
 そんなヘビの話の続きから、今日はお楽しみ下さい。



 血反吐を吐きながらも、世界の蛇展示館(仮)を脱出した僕らは、時刻が3時に迫っていることに気づきました。
 なぜ僕らが3時を気にしていたかというと、このスネーク・ランドに入って以来、至るところに、『ヘビの毒採取ショー 3時〜』との張り紙があったからです。入場料の割に、あらゆるところで肩透かしを食らい続けた以上、大々的に宣伝しているからには、このショーこそは、きっともの凄いもののはず! ……で、あって欲しい。そんな思いが、僕らの足をショーへと向けました。
 案内に従って、ショーの会場に足を向ける僕ら。会場には、既に黒山の人だかりができていました。
 間もなく、分厚いガラス越しに、白衣を着た男と蛇が登場。
 そして白衣の男がウンチクを垂れ始めたと思った矢先、まさかの光景が繰り広げられたのです。なんと客に質問をし始めるじゃありませんか! しかも高圧的な感じで!
 なんでぼったくりのような料金を取られた挙句に、学校の授業みたいなもんを受けにゃならんねん!
 とうとうブチ切れた僕は、ショーが始まったばかりというのに退室すると、外のベンチにズガッと腰を下ろします。
 やれやれ、よくもまぁあんな殿様商売に、みんな大人しく従うもんだ。
 内心で毒づいていると、間もなく、NOVさんとクロさんが、ベンチに腰掛ける僕に気づき、やって来てくれました。話を聞くと、彼らもショーをする白衣の男の態度が、癪に障ったそうです。
 こうして3人でグダグダと話していると(←静岡でやれよ)、ショーも終わり、キクチとジョイトイが戻ってきました。
「いやぁ、あんまり面白くなかったよ」
「だったら、最後まで見るな」
「少しでも元を取ろうと思ってさ」
 そう言われてしまっては、さしもの僕も返す言葉がありません。
「まぁいいさ。……なんだか疲れた。そろそろ帰ろう」
 こうして僕らは、とぼとぼとスネーク・パークをあとにしました。
 スネーク・パーク。ここまで酷い観光施設を、僕は今までに見たことがありません。法外な料金設定に、見所のあまりに少ない園内。ショーをするとなれば、上から目線で高圧的に質問を投げかけてくる白衣の男。
「間もなく、銭金(=銭形金太郎)で紹介されること受けあいの施設でしたね。いや、ぜひ銭金には来てもらいたい」
 これはNOVさんが、帰り際に漏らした言葉ですが、なぜか今でも僕の心に強く残っています。
 当ブログの読者の中に、もし今回の話を読んで、行ってみたい奇特な方がいらっしゃったら、ぜひとも相応の覚悟をして行って下さいね。もちろん、僕は一切の責任を負いませんので悪しからず。 (つづく)