危機コーヒー (第13話)

 『信長の野望 革新』を買いました。ルールがわからずに困っています。やれやれ、これだから最近のゲームは嫌なんだ。やっぱ『天翔記』ぐらいが、1番おもしろいですよね。とはいえ、1万円近くだして買ったのに、まさかこのまま下取りに出すわけにもいきません。ぼちぼちやってみたいと思います。
 さて、危機コーヒーの方も、ぼちぼちどうぞ。



 僕の罰ゲームが終わったところで、引き続いてキクチへの罰ゲームが執行されます。
 まずは振り振りコーラ口内発射! 振りすぎて感覚のなくなったペットボトルのコーラをキクチに渡して、我々は退避。
 遠巻きに彼のパニックを見守る予定でしたが、思いのほか、コーラの出が悪く、大惨事には至りませんでした。
「うーん、500mlのペットボトルコーラじゃダメなのかなぁ」
 ブツブツ言いながら、今度はキクチにブラックブラックガム1箱入りを手渡します。
「……インターバルなしですか?」
「当然だ。行け」
 問答無用で、今度は口内に1箱分のBBガムを叩きこまれるキクチ。
 彼が自身の限界に達したところで、僕が余ったガムを隙間に埋め込みます。こうして、ほとんどのガムがキクチの口内に入ったところで、時間の計測を開始!
「カレエッッッ!」
 必死に泣き喚くリアクションを見せるキクチでしたが、寒さがたたってか、見ている方は、大した盛り上がりを見せぬまま、飲食系の罰ゲームは終了しました。さすがにちょっと可哀想だね、キクチ。
 その後、心霊トンネル往復と、拉致放置の罰を執行するため、僕らは後片付けをして、船越公園を後にしました。
 まずはホリコの拉致放置を行うため、彼と離れたところで、相談を開始します。
「ホリコの流刑地ですが、清水の斎場あたりでどうでしょう」
 清水の斎場は、真っ暗で霊が出ると噂のトンネルもあり、なかなか恐ろしい場所ではあるのですが、ホリコの自宅から比較的近い(徒歩20分くらい)こともあり、まぁ妥当な線じゃないかとの結論に至りました。
 実を申せば、この罰ゲームは、ぜひともキクチにやって欲しかったのです。キクチを途方もないところに置き去りにして、ヤツを恐怖のゾンドコに陥れ、ぜひとも群馬と遅刻の恨みを晴らしたかったのですが、そうは問屋が卸しませんでした。
 この企画の過激さたるや、事前の打ち合わせで、NOVさんに具体的な場所を告げると、キクチが死ぬ可能性も示唆されたほどでしたが、
「本当に死ぬ可能性もありますが、もしそうなったとしたら、そいつがそれまでの男だったということでしょう」
 と、僕は強硬論を唱えていたほど、やる気満々だっただけに、本当に残念でした。正直、この罰でキクチの粛清を考えていただけに、もう思い残すことだらけです。
 フン、命拾いしたな、キクチ。悪運の強いヤツだ。
 目的地に着くと、ホリコに懐中電灯を渡して見送ったところで、僕らは再び車に乗り込みました。真っ暗な山にホリコを取り残したまま……。
 なんだかホラー小説みたいになったところで続きます。 (つづく)