美食倶楽部最大トーナメント (第1話)

 先日から、ひっそりと再開したブログですが、今日から少しの間は別に読まなくても本編に影響はないところです(笑)。まぁ気が向いたら読んでやって下さいや。



 すっかりお馴染みとなった美食倶楽部本部事務所(実在するの?)には、この日もゲン、キクチ、NOV、ジョイトイといった幹部連中が集まっていた。彼らが集まってやることは、ほとんど1つに限られると言って良い。美食倶楽部が主宰する企画についての話し合いである。
 ゲン、キクチ、NOVを前に、進行役を務めるジョイトイが口火を切る。
「えー、それでは次回企画について、何かしら案のある方は発表を願います」
 静まり返る一同。その様子を見て、ジョイトイがため息をつく。
「やれやれ、あらかじめ何か意見を考えて来るように、通達しておいたにも関わらず、誰も何も考えずに来られたわけですか」
 皮肉を言うジョイトイに、ゲンが顔をしかめる。
「んなこと言ったって、いい企画なんて、そうそうに思いつくもんじゃないぜ。それに俺は、色々と忙しいんだ」
「あなたは、両替町で遊ぶのが忙しいのでしょう」
「ごちゃごちゃとうるさいな。人のことをつべこべ言う前に、お前が何か言ったらどうだ?」
 ゲンの言葉に、ジョイトイは少しムッとした表情を浮かべる。
「では申し上げます。我々も美食倶楽部と名乗るからには、いつまでも阿呆なことばかりしているのではなく、教養を高める意味も込めて、美味しいものでも食べに行くのは如何でしょう?」
「なるほど。たまには、そんなのもいいやね。美味いものを食って、そのレポートを載せるだけなら、俺も楽でいい」
 ゲンの言葉を聞くや、キクチが顔を真っ赤にして怒る。
「ちょっと、待てや、コルァッ!」
「なんだよ、キクチ? でかい声を出しやがって」
「そら、デカイ声も出したくなりますわな! 美味いものを食べに行く企画ですか? んなことしとったら、ホンマにワシらは美食倶楽部ですわ! ワシらは世に醜態を晒してでも、笑いをとらなあかん集まりでっせ! そもそも、美食倶楽部ちゅうネーミングやて、実際の活動に何ら関係なくて、おもろいからちゅう理由から、つけたんでっしゃろ。それにも関わらず、美食倶楽部だけに美味いもん食おうなんて言っとったら、本末転倒もええところや! それよか、ない知恵絞って、少しでも笑いを取れる企画を考えるべきだと思いまっせ!」
 キクチが捲くし立てたあとで、NOVが続く。
「さすがに今回ばかりは、俺もキクチの兄さんの言うことに賛成です。今回、我々が立案する企画は、会長がブログで長期休暇を取った後の1発目の企画となるもの。ただでさえ、長期休暇で閲覧者が飛んでいるところに、いい加減な企画で滑った日には、目も当てられません。会長のブログは、我々の活動報告。すなわち会長のブログがつまらない仕上がりとなり、閲覧者数が伸びないとすれば、それは他でもない美食倶楽部の没落を意味するのです。ですから、なんとしてでも復帰1発目の企画は、閲覧者数が伸びるようなおもしろい企画にしないといけない。そこへ来て、前に美味いラーメン屋紹介でダダ滑ったグルメものを企画するのは、如何なものかと。ご自重下さい」
 何も決まらぬまま、次回へ。 (つづく)