美食倶楽部最大トーナメント (第12話)

 GWはたくさん更新しよう! ……と思ってみたものの、結局、今回特例的に更新しただけ。所詮、その程度の男です。
 では本編を。この休みは飲みすぎて肝臓がいかれないか心配であります。



〈Aブロック第2試合 初代会長VSキクチ〉
 キクチがリングに上がると、そこには10年ぶりに見る初代会長が立っていた。
「久しぶりだな。キクチ」
 声を掛けてきた初代会長に、キクチは殺気漲る口調で応える。
「まったくで。おかげさんで、今日は見たくもないアンタの顔を見ちまいましたよ、初代会長」
「減らず口は相変わらずのようだな」
 舌戦は続く。
「で、今日はまたどういう風の吹き回しですか? あんさんは10年前に、うちの倶楽部を追放されたんでっせ。こないなところ、来たらあかんのちゃいますか?」
「10年前に追放されたからこそ来たのだよ。この大会で、俺が優勝しようものなら、美食倶楽部の面子は丸潰れ。貴様ら現会員は、その非力さを世間から揶揄され、やがて倶楽部は滅亡を余儀なくされる。それが俺の狙いさ」
「相変わらず、尻の穴がミクロちゃんですな。ええでっしゃろ、おんどれのその目論見、俺の笑いが断つ!」
「来い、まずは貴様から血祭りだ!」
 両者の戦闘準備が整ったところで、レフェリーの山本山小鉄の声が掛かる。
「先攻初代会長1本目!」
 すると初代会長は、先程のゲン同様、CDデッキを取り出すと、そこに何やらはめ込んだ。会場に音楽が流れ出す。
 この曲は……マジンガーZ
 キクチの考えたとおり、この曲は往年のスーパーロボットアニメの名作『マジンガーZ』のオープニングテーマであった。
「これで貴様に引導を渡す! 行くぞ!」
 初代会長は高々と叫ぶと、マイクを片手にメロディに乗って替え歌を唄い出す。
「♪ロシアにそびえる白人の城 スーパーロボット○○○○(キクチの本名が入ります) 鉄の力はロシアのために 鉄の力をパイルダーオン 飛ばせ鉄拳アイアンシェイク(キクチの必殺技です) 今だ出すんだ コメカミフィンガー(キクチの超必殺技です) キクチゴー キクチゴー ○○○○(しつこいようですが、キクチの本名が入ります)!」
 初代会長は、自信満々に歌い切った。 (つづく)