美食倶楽部最大トーナメント (第19話)

 深夜にパソコンを立ち上げてしまったので、とりあえず更新だけしておきましょうか。
 今日から後半ブロックですね。前半に大物を投入しすぎなんじゃないのって、お思いのあなた。心配はご無用。まだまだ活きの良いキャラクターがたくさんおりますので、期待して下さい。



 サクライガーの勝利を、客席で見届けたゲンは、チッと舌打ちをしてから席を立った。その足で、選手の控え室へと向かう。ラフィートの様子を見るためだ。
 すると途中、対面からラフィートの介抱を依頼したはずの、NOVがやって来るのが見えた。彼もゲンに気付いたようで、声を掛けて来る。
「どうも、ゲンさん」
「ああ、どうも。先程はラフィートさんの介抱を丸投げして申し訳なかったっす。ちょうど今、そちらに顔を出そうと思っていたところです」
「そうでしたか。ラフィートさんなら問題ありませんよ。ゲンさんが、控え室を去った後で、意識を取り戻しました。まだ自分の控え室で休んでいる状態ですが、あの様子なら、恐らく問題ないでしょう」
「そいつは良かった」
「ですが、喜んでばかりもいられない、といったところですか」
 おそらくNOVの耳にも、サクライガーのマイクパフォーマンスが聞こえていたのだろう。
 彼の言葉に、ゲンは大きくため息をついた。
「まったくで。飛び入りの刺客に、美食倶楽部関係者が2人連敗したとあっては、うちの倶楽部の実力を疑問視する声も当然に出てくるでしょう。その対応を考えると、頭が痛いですよ」
「お察しします」
「こうなった以上は、うちの会員の誰かがサクライガーを倒すしかないでしょうねぇ。事態を我々にとって優位な形で収拾するには……まぁ、なるようにしかならないから、ここでつべこべ言っていても仕方ないのですが」
「なーに、明日は明日の風が吹きますよ」
「ですね。さて、これからどうしたのものか?」
 呟くゲンに、NOVが聞き返す。
「次の試合を見ないのですか?」
「観客から美食倶楽部に対する野次が飛び交いそうだから、ちょっと会場には戻りたくないんですよね」
「では関係者特別席から、こっそり覗き見ますか? あそこからなら、試合の様子も見える上に、観客の目は届きませんから」
「ほぅ。そんな野球のバックネット裏マスコミブースみたいなところがあるんですか。じゃあ、そこから観戦しようかな」
「お供しますよ」
「お願いします。……ちなみに次の対戦、誰と誰でしたっけ?」
「もちけんVSホリコ」
「お、斬新」
 2人は言葉を交わしながら、関係者特別席へと向かった。 (つづく)