美食倶楽部最大トーナメント (第20話)

 あー、昨日ですが、素で更新を忘れておりました。申し訳ございません。
 最近、凄く更新する日が適当なのですが、基本的には月・木で、その前後に週2回は更新したいと思いますので、懲りずに見てやって下さいまし。
 では、本編へ。今日のは、微妙ですが、通常よりも増量しております。



〈Cブロック第1試合 ホリコVSもちけん〉
 ゲンとNOVが、関係者特別席に到着すると、間もなく試合が始まる様子であった。
 リング上でにらみ合うホリコともちけん。ジャンケンの結果、先攻ホリコ、後攻もちけんと決定した。
 先攻めが決定したホリコが、もちけんに告げる。
「獣神サクライガーの乱入で、美食倶楽部の実力に疑問が持たれ始めている今、僕まで負けるわけにはいかない。悪いけど、勝たせてもらうよ」
 もちけんは努めて冷静に応じる。
「僕は美食倶楽部を過小評価するつもりは一切ない。正々堂々、闘おう。勝った方が2回戦進出だ」
 言い終えたところで、もちけんは口に牛乳を含んだ。
 審判の試合開始の声が掛かると、ホリコはおもむろに持参したカバンの中から、1枚のディスクを取り出した。
「これはDVDディスク。今から、ここに収められた映像を見てもらいたい。なーに、そんなに長いものじゃないから、安心して欲しい」
 言いながら、ホリコはあらかじめ用意していたDVD再生プレイヤーにディスクを入れた。すると、武道館に特設されたオーロラビジョンに、その画像が映し出される。
 画像が何たるかの説明をホリコが始める。
「これは2006年夏。とあるおバカさんが、日帰りで琵琶湖を1周しようと言った企画の実行日、静岡某所のコンビニで撮影されたものだ」
 画像の中にはホリコの他に、この大会にも出場しているゲン、無双祭、クロの姿が見えた。画像の中のゲンが、他の3人に対して述べる。
「まだ道中も長いからね。とりあえず飲み物とか必要最低限の物だけ買おう」
 どうやら、旅立つ前のようだ。ゲンの言葉に頷いて、全員がコンビニの中に向かう。数分後(もちろんこの何もない部分は、DVDでは早送りされている)、全員が車に戻ったところで、クロがホリコの買い物袋の中身に違和感を覚えて指摘する。
「なにそれ?」
「ああ、ガンダムのプラモデルだよ」
 ホリコは平然と応えた。
 そこでDVDの映像は途切れる。
 な、なぜ必要最低限のものを買おうと言っているにも関わらず、これから琵琶湖を1周する前に、ガンダムのプラモを購入するんだ、この男はッ!?
 大いなる矛盾に、悪びれぬホリコ。もちけんの我慢は限界だった。唇の脇から、1雫の牛乳が零れ落ちた。
「グハッ!」
「勝負あり!」
 山本山小鉄の声が掛かった。
「美食倶楽部は、ゲンさん、キクチさん、ジョイトイさんばかりじゃないのさ」
 意気揚々と引き上げるホリコの背中には、自信が満ち溢れていた。
 Cブロック第1試合 ○ホリコ(ガンプラ購入)もちけん● (つづく)