美食倶楽部最大トーナメント (第35話)

 たまに書いておかないと忘れられるんで、地味に更新しておきます。11月の中旬過ぎから、もう少しペースを上げたいと思いますので、今しばらくお待ち下さい。



〈Bブロック代表決定戦 ジョイトイVS獣神サクライガー
 大歓声に迎えられて、ジョイトイリングインすると、対戦相手であるサクライガーは、既に入場を終えて、彼を待ち構えていた。
ジョイトイ君、君の数多の伝説はゲンから聞き及んでいる。日本、いや世界最高峰の天然ボケだそうじゃないか。君と戦えるのを、楽しみにしていた」
「そいつはどうも」
「君は地上に存在する全ての天然キャラの憧れ。そんな君を、この大会の、このルールで倒してみろ。たちまち俺の名は、全国区だ。悪いが全力で潰させてもらう」
「普段なら、それも悪くないが、俺はアンタのアホの親戚に、お灸を据えねばならない。今日ばっかりは、ここで負けるわけにはいかんのだよ。さぁ、始めようか」
 ジャンケンの結果、サクライガーが先攻、ジョイトイが後攻と決まった。
 ジョイトイが牛乳を口に含み、試合開始の声が掛かると、サクライガーは着ていた服を脱ぎ捨て、ブリーフパンツ1枚の姿になった。そしてヒンズースクワットを始めたのである。
「いくぞ! フンッ、フンッ!」
 どんなネタが炸裂するのか? 固唾を飲んで見守るジョイトイおよび観客であったが、100回を数えても、サクライガーはひたむきにスクワットを続けているだけである。いったい何がしたいのだろう? 観客がざわめくも、サクライガーは気にする様子もない。スクワットは、200回、300回と続いた。
 そして350回を数えたときである。スクワットをしているサクライガーの腰付近から、ビリッという衣類が破れるような音がした。次の瞬間、彼の履いていたブリーフがハタリとリングに落ちた。
「ダァッッ!」
 サクライガーが、どうだと言わんばかりに、ジョイトイにアピールするが、彼はクスリとも笑わない。
 攻守交替の声がかかり、含んでいた牛乳を吐き出したジョイトイは、アゴをさする。
「ずっと口を膨らめていたから、アゴの筋肉が痛ぇ」
 顔をしかめるジョイトイに、サクライガーが詰め寄る。
「なぜだ! なぜ笑わない! スクワット中に、パンツが破けたんだぞ! これ以上、おもしろいことなど、そうそうないはずだぞ!」
「だって、間延びし過ぎなんだもん」
 ジョイトイが言ったところで、彼の攻撃を示唆する声が審判より掛かる。
 はてさて、どうしたものかね。
 次回、ジョイトイの奥義が炸裂する! (つづく)