美食倶楽部最大トーナメント (第36話)

 みなさま、諸事情による、このところの更新期間空きすぎの件、ここに深くお詫び申し上げます。
 が、しかし! ここにコンスタントに更新ができる環境が整ったことを謹んでご報告いたします。たぶん来年の今ぐらいまでは、(僕の気力が続く限りは)継続的に更新ができるんじゃないかと思います。ですから休みがちだった当ブログを、それでもなお見ても良いという奇特で心優しき方は、再びなにとぞよろしくお願い致します。
 とりあえず、年内にこのトーナメントを続けられるところまで、続けたいと思いますです、はい。
 では久々の更新をどうぞ。激戦必至のジョイトイVSサクライガーです。



 注目のジョイトイの攻撃。
 何をするものかと、対戦相手のサクライガーはもちろんのこと、会場全体が固唾を飲んで彼の言動を見守る。
 そんな折、ジョイトイが動いた。彼の手には、携帯電話が握られている。彼は携帯を耳に当て、何やら通話を始めた。
「あ、俺。どもども。ご無沙汰。あの、急で悪いんだけど、ちょっと教えてもらえる? あ、いや、そんな難しいことじゃないから、心配しないでくれ。おたくなら、すぐにわかるようなことさ。今、家でさ、暇にかまけて、ドラクエ1をやってるんだけどね、スーファミ版の。太陽の石ってあるじゃない。ほら、竜王の城のある島に橋を造るアイテムを造るのに必要なやつ。あれって、どこにあるんだっけ? それが見つけられずに、昨日、4時間ぐらいマップ上を、ウロウロしちゃったんだけど、それでも見つからなくてさ。ずっと、誰かに訊きたいと思ってたんだよ。だけど、こんなマニアックな話、知っているヤツなんて、そうそういないじゃん。誰か、知ってそうなヤツはいないかなと思って、昨日から、気に病んでいたんだけど、つい今しがた君のことを思い出してね。それで電話したってわけ。で、どこにあるか知ってる? 太陽の石。……あ! そうだ、そうだ! ラダトームの城を、外壁に沿って歩いていけばいいんだっけね。思い出したよ! いやいや、助かった! この恩は近々必ず返す。……うん、ああ、安い居酒屋でなら、奢ってもいい。おう、じゃあまたそのときにでも。はいはい、お疲れー」
 一体全体、何が起こったのだろう?
 どんなネタなのか、皆目検討が着かない場内の群集は、水を打ったように沈黙する
 だが、そのうちに彼らは気付いた。ジョイトイはネタでも何でもなく、まったくの私用電話をしたのだということを。この場、この状況下であるにも関わらず、彼は自分が昨晩より抱いている疑問を解決できそうな友人に察しをつけるや、そこに電話したのである。
 そして、彼らのそんな思い付きを裏付けるように、ジョイトイは呟いた。
「あ、そうだ、ネタをするんだっけ……」
 紛れもない究極天然ボケ炸裂したことを裏付ける言葉であった。
 この一言で、場内が大爆笑に包まれたのは言うまでもない。
 だが、対戦相手の覆面戦士サクライガーは、まったく牛乳を吹き出す素振りをみせなかった。
 ジョイトイにしてみれば、攻撃したつもりはないのだが、場内に爆笑が渦巻いたことで、彼の私用電話は攻撃とみなされ、審判の山本山小鉄から攻守交替の声が掛かった。
 次の瞬間、サクライガーに異変が起こった。 (つづく)