美食倶楽部最大トーナメント (第37話)

 今回でようやく最大トーナメントも10試合が消化されました。残すところ、あと5試合。めんどくさ……いえいえ、何でもありません。残り数試合に、ご期待下さい。



 見れば、サクライガーのマスクの下から、白い液体が滴っているではないか。
 何が起こったものかと、理解に苦しんだ場内の当事者達だったが、その疑問は、ジョイトイの一言で氷解した。
「……牛乳、吐き出してんじゃん。ていうか、覆面してたら、牛乳を吹き出したって、わからないじゃん。覆面、つけて出場したら、ダメなんじゃねぇの?」
 天然が全面に押し出す感の否めないジョイトイなのだが、妙なところで鋭かったりするのだ。
 彼の指摘に、審判の山本山はハッとして宣言した。
「勝負ありッ! 勝者、ハルロー・オブ・ジョイトイ!」
 勝ち名乗りを受けるジョイトイに対し、それまで笑ったこと隠そうと、必至に吹き出すのを堪えていたサクライガーは、むせ返っていた。
 何とか、咳が収まったところで、彼はジョイトイに向かって言った。
「俺のマスクトリックによく気がついたな」
「いや、褒められるほどのことでも。ちゅーか、そのことに気付かぬまま、あんたを放置した審判やら、観客もどうかと思うけどね」
「フッ、まぁいいさ。この借りは、いつか必ず返す! 覚えておけよ! さらばだ、ジョイトイ君! フハハハハハッ!」
 マスク装着に関して、罰が悪かったのか、サクライガーは言いたいことを言って、颯爽と立ち去っていった。
「やりたい放題だな」
 思わず呟いたジョイトイであった。
 Bブロック代表決定戦 ○ジョイトイ私用電話)獣神サクライガー● (つづく)