美食倶楽部最大トーナメント (第39話)

 みなさま、新年あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い致します。
 いやー、とうとう今シリーズ、新年を越えましたねー。こうなったら、2007年度末を目安にフィナーレに向かって執筆しようと思いますので、よろしくお願いします。
 ではでは、今年1発目をどうぞ!



〈Dブロック代表決定戦 ダミアンVSエビフライ〉
 1回戦にて、壮絶な必殺技を繰り出し勝利を収めたダミアンと、美食倶楽部の強豪トシを屠ったエビフライ。2回戦最後の試合もまた観客の興味を引くに十分だった。
 先に入場し終えたエビフライがリング上で、ダミアンを待っていると、何やら花道の奥からエンジン音が聞こえてきた。その大きさから、相当大掛かりなエンジンであることが察せられた。
 次の瞬間、大型バイクでダミアンが花道を疾走して来た。リング手前でスピードを落とすものと思いきや、むしろ加速していくものだから、居合わせた全員が不自然に思った矢先、バイクはリングに衝突。当然、運転していたダミアンは宙に放り出されたのだが、それがちょうどよくリングインする形となった。
 受身を取り、事なきを得たダミアンは、むくりと起き上がると、エビフライの方を向いて言った。
「どうじゃ! 勝負と関係ないところでも笑いを取る! これが美食倶楽部魂じゃ!」
「笑いを取るどころか、今のは普通に事故でしょ。笑いが起こるどころか、みんなドン引きだよ」
 なんとも的を得たエビフライの受け答えだったが、美食の狂犬、今の言葉をダミアンがおとなしく受け入れるはずもない。
「んなことあるかい! 俺のやる事がおもしろくないわけがあるわけないじゃろうがッ!」
「だったら、やってみるがいいさ。俺は後攻でいいから、君が思う存分、先攻でネタをやり切るがいい」
「なんじゃとー!」
 勝負のことだけを考えれば、無条件で先攻を獲得できれば、これほど有利なことはない。しかし、一方的に先攻をもらうのは、ハンデをもらうようで、せいせいしないダミアンは、ある申し出をすることにした。
「じゃったら、ワシが先攻でネタして、それにおたくが耐え切ったら、その時点で勝ちをくれてやるわい!」
「ほぅ、それはおもしろい。大会の運営サイトが良いと言ったら、この試合は特別ルールで行いましょうか」
 こうして2人の話が、審判団で協議された。結果、特別問題がないとされ了承されたのである。ここにダミアンが、己と倶楽部の誇りを賭けた文字通り『一発勝負』に打って出たのである。(つづく)