ゲン拉致されるⅡ

 読者の皆様、明けましておめでとうございます。
 本日で1月も第2土曜日となりましたので、また気まぐれではありますが、週末を中心に更新を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 新年最初の企画は、たいへん縁起が悪くて(?)恐縮ですが、タイトルにあるとおり、僕がキクチに拉致される例の企画のパート2です。楽しんでもらえれば本望です。
 以下、本編です。

 

 2009年、元旦。
 いつもの正月と同じく夜遅くまで昏々と酒を飲み、正午過ぎに目覚めた僕が、何の気なく携帯のメールを確認したときのこと。そこには恐怖の一文が……。
『1時過ぎに迎えに行きます キクチ』
 畜生、今年も新年早々縁起が悪いぜ……。
 思わず天を仰ぐ僕ですが、ある程度覚悟していたことなので、何とか気を取り直して、出発の準備を整えます。
 1時過ぎ。時間通りにキクチはやって来ました。この日、時間が取れるとのことで、参戦を表明したクロさんを引き連れて。
 もちろん、キクチの顔を見た僕は毒づきます。
「てめぇも暇な男だな。毎年、毎年」
「毎年来るてめぇも暇なんだろうがよ」
 新年の挨拶を終えた僕らは、NOVさん宅へ。
 こうして4人の美食戦士が集まったところで、どこに行くか相談がなされます。……まぁ相談とは言っても、僕がほとんど一存で決めるんですけどね(笑)。
 考えを巡らせた結果、僕は前から興味のあった場所を提案します。
「鍵穴に行ってみたい」
「あーん? どこだ、そこ?」
「富士の方」
「ふーん……。まぁいいけど」
 この会話を聞いた時点で、なんとなく変だと感じた方は、相当な静岡通であることが察せられますが、今後の展開があるので、ここで詳細は書けません。悪しからず。
 何はともあれ、富士方面に出発した僕らは、バイパスには乗らず旧国道の方面へ。それはもちろん、めでたい正月がゆえに、飲食を許されたキクチの車内で、飲み食いする物を調達するため、1回目の『ゲン、拉致される』(3年前)でも立ち寄ったスーパーに立ち寄るためです。
 しかし! いざ行ってみてビックリ! 休みなのか潰れたのかは分かりませんが、なんとスーパーは閉まっています。
 オウッ! 数年前までは、1日も営業してたのに! これも不況の影響か……。
 結局、最寄りのコンビニで酒類および食料品を購入したのですが、なんとも出鼻を挫かれた格好で、僕らの旅は始まったのです。
 あっ、ちなみにNOVさんもクロさんも(当然運転手のキクチも)、飲酒をしないので、車内で酒を飲むのは僕だけの模様ですよ。 (つづく)