西へ! (最終話)

 御国神社に来た道を戻り、再び西方面へのバイパスに乗った僕は、すぐのところで左折。その後は標識のとおりに進み、ほぼ30分ほどで法多山尊永寺にやって来ました。ほとんど南下しただけで、さほどの距離はなかったのです。
 駐車場係のおっさんに誘導されるがまま、車を停めると、さっそく料金を徴収されます。しかも500円と、けっこういい値を。いいのか、寺がここまで営利主義で? 俺が信長様だったら、間違いなく焼き討ちの対象だぞ(笑)。
 僕が相当渋い表情をしたせいでしょうか。おっさんがご機嫌を取るためか、色々と話かけてくれたのですが、なんか長くなりそうだと直感した僕は、そうそうに切り上げて本堂に向かいます。
 道中は、出店の片づけをする業者ばかり。あっ、薄々午前中からお昼ぐらいまでに到着しなくてはならないスポットであることには気付いていたので、ショックはなかったですよ。チッ、遠州の空っ風がやけに身に染みやがる。
 長めの山道を進むと、そこには果てしなく上へと続く上り階段が。もう目を覆いたくなるぐらいの一大事だったわけですが、前を歩いていたカップルが、大変そうだからとの理由で撤退した姿を見て、僕の闘志に火がつくわけでございます。
 このクソ根性なしどもめ! ワシが男の生き様を見せたるわいッ!
 こうして階段を登り始めた僕は、かろやかに、まるでスキップでもするかのように、石段を登りきったのでございます。
 ん? ハンドタオルがけっこうしっとりするぐらい汗を掻いたんじゃないかって? そんなことないって。ちょっと前を若い女の子2人組みが歩いてて、その子らに照かってるデコを見られたくないが一心で、けっこうマメに汗を拭き取ったりなんかしてないって!
 とまぁ、そんなわけで若干酸欠染みていたせいか、ここでも本来の趣旨を忘れて、今年こそ素敵な恋……(以下略)。と、血迷ったことを祈って、僕は山道を下ることにしました。ああ、ちなみに少し下ったところに、不動明王の像があって、そこでも祈ったけど、内容は上記と同じようなことを祈ってしまったわけで。……みんな、禊は各自で行ってくれ(苦笑)!  どうせここで俺が祈ったところで、賽銭は大して入れてないから、たぶん意味がないよ。……なんか本気ですみません。
 帰りに名物の団子屋があったんですが、ここは軽くスルーです。つぶあんはどうも口に合わん!
 結局、滞在時間30分ほどで、賽銭と駐車料金で520円の金をばら撒き、僕は帰路に着きました。帰路はバイパスで帰るのが面倒臭かったので、一路高速へ。すると、空いているせいか、早い早い。なんと掛川インターから30分ほどで、静岡インターへと到着したのでした。ETC効果もあったせいか料金は700円ばかり。これなら最初から高速を使えば良かったなどと思いつつ、僕は自宅への道を戻ったのでした。
 うーむ、やっぱり原付の方が、話が盛り上がりますな。全3話って、過去最短のシリーズだものね。反省をしつつ、今回の話を締めたいと思います。じゃあ、またね! (西へ! 完)


 西へ! CAST


 ゲン
 クロ(友情出演)
 キクチ(友情出演)


 スタッフ


 文章:ゲン
 シリーズ構成:ゲン
 テーマソング:『みちのく一人旅』
 企画:ゲン
 製作総指揮:美食倶楽部