風林火山特別篇(第2話)

 甲府っぽい食べ物を探して、僕らは駅ビルの最上階へ。
 甲府といえば、通常『ほうとう』を食べるべきなのですが、僕は正直なところ、あまり好きではないのです。ただ僕の好みで、甲府まで来てラーメンとかも、友人らに申し訳がないので、とりあえず『ほうとう』がある店で、他のメニューも充実している店がいいなと思っていると、それ以前の問題が発生したのです。
 なんと駅ビルの最上階、グルメ街には、どこかでよく見たことがある店ばかり。街中に職場のあるジョイトイ曰く、
「ここにあるどの店も、おそらく静岡駅周辺にあるぞ」
 とのこと。なるほどね、どおりで見たことがあるわけだ。どこも駅ビルは同じってわけね。
 しかしながら、1つぐらいは甲府的な飯屋があっても良いのではないかと思い、フロア内を探すと隅っこの方に、『ほうとう』やら『釜飯』を謳った店がありました。『釜飯』が甲府の名物か否かは知る由もありませんが、まぁ山の中だから、『釜飯』が名物でもおかしくないとの結論に至り、僕らはその店に決めました。
 ですが、店内に入って他の客にオーダーを取る店員の話を聞いたところ、『釜飯』は作るまでに20分ばかりかかるとのことで、すっかり戦意を喪失した僕は、『ほうとう』も食いたくないので、普通に『天ざる』を頼むことに。信州に近いから、多少は美味いかと期待したけど、まぁ普通だったよ(笑)。ちなみに無双祭さんも、そばを食ってましたね。いいのか、これで? いいんです!
 ジョイトイだけは、美食倶楽部の意地(?)を見せ、王道の『ほうとう』に、『カキフライ』を加えて食ってましたが、店を出た後で、やっぱそんなでもなかったと言っていました。まぁ雰囲気を味わえただけ、君の選択肢が正解だったと思うよ。
 こうして食事を終え、会計を済ませようとしたときのこと。アルバイトっぽい女性定員から、僕らに1粒のチョコレートの支給が! あっ、何気にこれって、甲府で女の子からチョコをもらうミッション・コンプリートじゃないっすかッ! いやぁ、甲府に来てから、ものの1時間で最難関ミッションを遂行するとは、我々の動きたるや、まさに『疾きこと風の如し』でございますな。
 ん? なに? こじ付けも甚だしい? まぁどんな形にせよ、このブログ内で、林と火と山の件は入れたいと思います。
こうして、たった1粒のチョコレートで機嫌を良くした、信玄公もビックリするほど哀れな男は、仲間(彼らの名誉のために書きますが、彼らはチョコレートに何の感慨も湧いた様子はありませんでした)と共にさらりと駅ビル内を見学した後、甲府の街へと打って出たのでした。
 あ、そうそう。駅ビルの2階か3階にある服のお店の店員、2人とも美人な上に、ホットパンツ姿で、もう100点満点でしたよ。皆さんも甲府に行かれた際は、ぜひともご覧下さい(笑)。 (つづく)