名古屋リベンジ(第5話)

 僕が燃え尽きた理由は、大敗が理由ではありません。
『当たる → 連チャンを期待する → あまり連チャンしない』これが繰り返された挙句、精神的にも疲労が溜まった上に、2千円負けといった箸にも棒にもかからない結果に終わった為です。
 もうホント、読み物としては、最悪の結果で申し訳ない! 大敗を喫して、身包みを剥がされて夜の名古屋の街に放り出されてこそ、当ブログの真骨頂なのですが、それとは程遠い結果に反省しきりであります。
 兎にも角にも、パチンコを終えた僕とケンダマン。店を出て時計に目をやると、夜の7時になっておりました。辺りもすっかり日が暮れています。
それでも約束の時間まで、あと1時間あったので、少しは名古屋の街を楽しもうと、デパートを幾つか見て回ることに。このときの僕は、ちょうど腕時計が欲しかったので、主として時計屋を見ることにしました。
しかしまぁ、なんと言いますか、7時過ぎともなると、どこのデパートも閉館間近で片付けの準備が始まろうかとしているせいか、慌しい雰囲気なんですよね。これ以上、もう客は来てくれるな、みたいな。そんな空気にチキンハーティッドな僕が耐えられるはずもなく、特に進展もないまま8時が近づいたので、ジョイトイとの待ち合わせのために、テレビ塔へと向かうことにしました。
名古屋のカップルご用達のような明らかなデートコースを、ケンダマンと歩くことに不愉快さを感じながらも、僕はテレビ塔へと歩き続けました。8時ジャストぐらいにテレビ塔の下にたどり着くと、そこには僕らの到着を今や遅しとばかりに、腕組みをしたジョイトイが待っていたのです。
「ふむ、ようやく来たか」
 合流したところで、ひつまぶしを食べる約束になっていたので、さっそく食べに行こうとの話にもなったのですが、せっかくテレビ塔まで来たので、登ってみようということに。随分と古い記憶になりますが、僕は中2のとき友達と、このテレビ塔に来た覚えがあったので、あの頃に見たテレビ塔と、いい年になってから登るテレビ塔と、見え方がどう違うのか興味がありました。
 さっそくテレビ塔に入ってみると、有料エレベーターがあり、それで問答無用にて最上階まで送り込まれる仕組みのようです。
 あれ? 昔は地上数百メートルまである螺旋階段を登ることもできた気がしたのですが、まぁ高所恐怖症の俺にとっちゃありがたい改装だ……って、スケルトンのエレベーターも相当怖ぇじゃねぇかッ! 真っ青になりながらも、最上階にたどり着くと、そこには『恋人達の聖地 名古屋テレビ塔』の文字が!
 悪かったな! ていうか、静岡くんだりから来て男3人で、ここに登っちまった連中の気持ちを、貴様ら考えたことがあるのか!?
 怒髪、天を突いたところで、次回へと続きます。 (つづく)