名古屋リベンジ(第7話)

 ゲンの最後の秘策、いよいよ発表です。
「よし、今から3人でサンシャイン栄の観覧車に乗るぞ」
ジョイトイケンダマンが嫌な顔をしたのは言うまでもありません。2人の顔には、はっきりと書いてありました。正気か、と。
 ジョイトイが諌めるような口調で言いました。
「本気なのか?」
「ああ、本気だ。今から、男3人で、サンシャイン栄の観覧車に、乗ろうと言っている。……たぶん、数年後にはいい思い出になるよ」
 その後も何か言いたそうでしたが、結局、僕に押し切られる形で、渋々と着いてくる2人。
 こうして僕らは、再び(ジョイトイは初ですが)サンシャイン栄ビルに戻り、ビルを登ったのです。代金として現金500円を支払い、いよいよ観覧車へ。
 そして、俺は気が着くわけです。高所恐怖症であったことを。
 いくらなんでもネタだと思う方もいらっしゃるかと思いますが、僕の場合、本気でアホなので、男3人で観覧車に乗れば笑いが取れると考え、その一心で誘った挙句、乗り込んだ直後に高所恐怖症であることを思い出し、心底後悔するのです。このリアルなクレイジーさが、当ブログの原動力になっておるわけですな。
あまりの恐怖で気持ち悪くなりながらも、僕は同行した2人に訊ねます。
「2人とも平気な顔しているけど、怖くないの?」
「ああ、このぐらいの高さなら別に」
「僕もです」
 ならば、貴様らにも恐怖を味合わせてやろう。俺以上の恐怖をなッ!
 そう思って、密室となっている観覧車内で爆音を響かせ大放屁を放つ僕。そりゃあ、もう凄い音でしたよ。
 もう、ホント、最低ですよね。どうもすみません。あっ、でも、この話、作ってませんから。
 こうして僕が1番のネタを提供したところで、名古屋の夜は更けていく……はずだったのですが、そうは問屋が卸しませんでした。 (つづく)